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第三章栄華が終わる時
22.学園から追放
しおりを挟む二人の罪状を明らかにした後に、王家からの正式な許可の元、二人の処遇を伝える許可が与えられていた。
「既に罪人はすべてを自白している。ご両親も裁判にて、判決がくだされているだろう」
「爵位は剥奪となり、侯爵家は伯母君のサクラ様が引き継ぐことで、罪を軽減するという有難い御沙汰が下りました。これも王妃陛下のご慈悲…感謝なさいませ」
「何よそれ…身分剥奪って!」
「そんなことも解らないのですか?本当に頭の悪い方ですね…平民となるのですよ」
馬鹿にしたようにドギーマは告げる。
そんなことをわざわざ言わなくても解っているのだが、アイシャが言いたいのはそんなことじゃない。
「私は…どうなるのよ!」
「どうもなりませんよ、平民として過ごしていただくのです。ランフォード家から追放されますが、住み場所だけはアントニア様がご用意してくださるようです。結婚祝いとして」
「は?どういうこと?」
「ギルビット家は侯爵家から子爵家に降格となり、領地はほとんど召し上げになります。本来ならば彼等も爵位を奪われる手もおかしくありませんが…降格になる条件として弟君と縁を切ることを条件に降格という処分になりました」
「義姉上は俺を売ったのか!」
モーギュストの言葉に、ドギーマは笑った。
「売った?何を申しますか…最後の情けに住む場所を与えてくださったのは、慈悲…家を没落に追い込んだ弟に情けをかけるな必要はないはず。しかも貴方様はあの方を散々侮辱していたようですね?」
「ぐっ…」
「あの方は新貴族代表です。このまま貴族籍のままでは、命も危ないのですよ?平民となるのは彼女なりの配慮…それすらも無下にするなら、身一つで生きて行かれませ」
言い返すことができないと解っていながら告げるドギーマ。
これまで貴族として何不自由ない生活をして、自身でお金を稼ぐ手段も知らないモーギュストが住む場所もなければ生きて行くことはできない。
「私は…私は嫌よ!婚約破棄をするわ!貴族じゃないこんな男となんて!」
「アイシャ…」
「お金も地位もない男と結婚して何の得があるのよ…こんなの冗談じゃないわ!」
黙っていたアイシャは逆上して告げた。
今のモーギュストの結婚する意志は一切ない。
実家に帰り、社交界で新たな婚約者を探した方が幾分かマシかと思ったが。
「既に陛下がお二人の婚約を承諾しました。表向きはまだ、貴族であるお二人は陛下の命令に逆らうことは不可能です。逆らえば国家反逆罪とし裁かれるでしょう…まぁ死刑にはならないにしても永久労働か、もしくは貧しい国に国外追放ですね」
「嫌よ…働くなんて!国外なんて…」
「ならば受け入れるしかないでしょうね?度の道、爵位だけ残っても領地はない、財もない、あるのは借金だけ。そうなれば首を吊るしかありません…サクラ様が爵位を引き継がなければ、領民は暴動を起こすでしょうし?」
「そんな…こんなのありえない。この私が…」
がくんと項垂れながら絶望するアイシャだったがさらに追い打ちをかける。
「君達の処分が下った以上は、即学園から出て行ってもらおう。本来ならば早々に強制退学ということになっていたんだ。何時までも罪人を学園に置くわけには行かない」
「ちょっ…待ってよ」
「離せ!」
学園長が警備隊に命令し、その場から摘まみだそうとする。
「学園まで追い出されたら私は!」
「学ぶ気がないのならば、ここにいる必要はない」
懇願するアイシャに学園長は容赦のない言葉を放ち背を向けた。
そして二人は学園から追放の身となり、すべてを失った。
一週間後、爵位を奪われた事がは社交界全体に流れることとなり。
ランフォード家の邸からも追い出され、アントニアが用意した邸に両親と共に移されることになった。
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