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第四章幸福と不幸は紙一重

13.ゲス一家VS大工一家

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漁船は外回りをしながら島の方に向かい、船を待っていたのは大工ギルド達だった。


「よぉ、どうだったんだ?」

「大量だぜ!伯爵様も大喜びだろうよ」

「そうか、最近は魚にも目覚めているからな。こないだ姫さんが新メニューに生魚の料理を作ってもらったんだが、カルパッチョとは違っていたが美味いのなんのって」

「俺はカツオのタタキが最高だったな」

「おいおい、やっぱりイカの塩辛だろ?」

「なんにせよ、姫さんの料理は世界一だな!」

船を止めながら、上機嫌に笑う彼らは水槽からピラニアを取り出す。

「しかし、その魚、食べられるのか?」

「まぁ、後でハイジちゃんに聞いてみるだべ」

漁師の一人が告げよた時だった。

「ん?この水槽、おかしくないか」

「ああ…うわぁぁ!なんかいるぞ!」

水槽をひっくり返そうとしたら見知らぬ人間が中に入っていた。


「何だお前!」

「どうやって潜り込んだんだ!」

水槽から放り出された四人を睨みつけ大工ギルドの若い連中が首根っこを掴み抑え込んだ。


「いだだ!何をする」

「この無礼者!私になんてことをするの!」

「痛い!離しなさい!」

「ううっ…」


大工ギルドの一人が顔を顰めながら抑え込んだ男の一人を見て声を荒げた。

「お前ゲスタス!!」

「グフタスだ!私はランドール侯爵のグフタスだ!」

「私は侯爵令嬢よ!全員…ぐぇ!」


偉そうにするアイシャだったがその言葉が最後まで続く事はなくもう一人の大工ギルドに首を高まれ地面に叩きつけられる。


「おい、こいつ等誰だ?」

「知り合いか?」


大工ギルドの若い連中のやり取りで知り合いだというのは解ったが、親しい仲とは思えなかった。


「よぉ、ゲス共。俺達の顔を覚えているか?」

「何を…」

「そうか、そうか…アンタ達に無茶な労働を強いられ鉱山で生き埋めになった大工ギルドなんざ覚えていねぇだろうな?」

「は?」

グフタスが言葉を飲み込み、アイシャは素っ頓狂な声を上げた。

「何で生きてんのよ!生き埋めになって死んだんじゃないの!」

「おあいにく様、運が味方をしてくれてねぇ?生き埋めになった直後にトンネルを見つけ隣国に通路が繋がってたんっだよ」

「まぁ、発見された時は瀕死の状態だったがな」

不敵に笑みを浮かべながらも、アイシャを警戒する表情をしながら、蔑んだ視線を送る。


「ふざけんじゃないわよ!アンタ達の所為で裁判で散々な目に合ったのよ!今すぐ慰謝料を払いなさい」

「はぁ?何馬鹿な事を言ってんだ」

「あはは!正気かよ」

アイシャの言葉に大工ギルドは大笑いをして相手にしなかった。




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