4 / 168
第一章逆行した世界
3.叔母
サングリアとマリーの婚約の入れ替えは進んだ。
当初は王家から反対の声は上がると思ったが、公爵家の人間であればどっちでもいいらしく。
中には優秀過ぎる姉によりも、出来の悪い妹の方が都合がいいなんて言う貴族も多かったこともありとんとん拍子に話は進んだのだが、身内で問題が生じた。
「反対です!」
一番反対したのは、モーリス侯爵家だった。
「落ち着かないか」
「これが落ち着いてられますか!お兄様も勝手ですわ…これまでマリーをほったらかしにして今更!」
ハーバル・サンチェスの妹、リリアンヌは激怒した。
バァンとテーブルを叩く。
気が強いリリアンヌはこれ以上ないほど怒っていた。
「大体、お母様はなんて言うか」
「それは説得しよう」
前サンチェス公爵夫人でありマリー達の祖母。
彼女は隣国のい王女で、元は政治的理由もあっ嫁いで来た。
故に、我が子達の婚姻は国を安泰に導く政治的な役目を担えるように奔走してきたのだ。
とは言え、我が子の幸せを望まないわけではなく。
身の丈に合った婚約をさせて幸せになって欲しいと考える良識を持っていたのだ。
「マリーはあの通り単純なのですよ!魔の巣窟に生きている訳がありませんわ…お菓子をあげるとかいって受け取り、そのまま毒殺されぽっくりあの世行きですわ!」
「リリアンヌ!仮にもお前の姪になんてことを言うんだ!マリーはお馬鹿だが可愛いのだ!」
「ええ、私も可愛いと思ってましてよ?だからこそ優秀な侍女や夫が支えれば良き妻となりますわ。第一、王も公爵も優秀でなくてもいいのです。側近が優秀であればどうとでもなります」
「お前な…」
リリアンヌは良き王や良き領主とは優秀である必要ないと考えていた。
何故ならすべてを一人でこなせる様な人間はおらず、又、優秀過ぎれば敵を作りやすい。
だからこそ必要なのは臣下を信頼し、相手を見分ける視野を持つこと。
そして多くの人間の言葉を聞くことができる柔軟性だった。
足りない部分は臣下に補ってもらえばいいのだから。
「マリーはサングリアのような優秀さはありませんが、最大の武器がありますわ」
「うむ…」
「王都育ちのサングリアには決定的な欠点があります。それを克服できなければ無理でしょう」
リリアンヌは決してサングリアを嫌っているわけではない。
とは言えマリーと同じぐらいに愛情を持っているかと言えばそうではない。
ただ、サンチェス公爵家を守りたい気持ちは同じだった。
「どうしたものか」
「夫に…息子になんて言えばいいのでしょうか」
深いため息をつきながら二人は頭を抱えるのだった。
あなたにおすすめの小説
王子、おひとり様で残りの人生をお楽しみください!
ちゃっぴー
恋愛
「ラーニャ、貴様との婚約を破棄する!」
卒業パーティーの真っ最中、ナルシストな第一王子ウィルフレッドに身に覚えのない罪で断罪された公爵令嬢ラーニャ。しかし、彼女はショックを受けるどころか、優雅に微笑んで拍手を送った。
なぜなら、ラーニャはとっくに王子の無能さに愛想を尽かし、この日のために完璧な「撤退準備」を進めていたからだ。
悪役令嬢、猛省中!!
***あかしえ
恋愛
「君との婚約は破棄させてもらう!」
――この国の王妃となるべく、幼少の頃から悪事に悪事を重ねてきた公爵令嬢ミーシャは、狂おしいまでに愛していた己の婚約者である第二王子に、全ての罪を暴かれ断頭台へと送られてしまう。
処刑される寸前――己の前世とこの世界が少女漫画の世界であることを思い出すが、全ては遅すぎた。
今度生まれ変わるなら、ミーシャ以外のなにかがいい……と思っていたのに、気付いたら幼少期へと時間が巻き戻っていた!?
己の罪を悔い、今度こそ善行を積み、彼らとは関わらず静かにひっそりと生きていこうと決意を新たにしていた彼女の下に現れたのは……?!
襲い来るかもしれないシナリオの強制力、叶わない恋、
誰からも愛されるあの子に対する狂い出しそうな程の憎しみへの恐怖、
誰にもきっと分からない……でも、これの全ては自業自得。
今度こそ、私は私が傷つけてきた全ての人々を…………救うために頑張ります!
冤罪で追放された令嬢〜周囲の人間達は追放した大国に激怒しました〜
影茸
恋愛
王国アレスターレが強国となった立役者とされる公爵令嬢マーセリア・ラスレリア。
けれどもマーセリアはその知名度を危険視され、国王に冤罪をかけられ王国から追放されることになってしまう。
そしてアレスターレを強国にするため、必死に動き回っていたマーセリアは休暇気分で抵抗せず王国を去る。
ーーー だが、マーセリアの追放を周囲の人間は許さなかった。
※一人称ですが、視点はころころ変わる予定です。視点が変わる時には題名にその人物の名前を書かせていただきます。
『お前の顔は見飽きた!』内心ガッツポーズで辺境へ
夏乃みのり
恋愛
「リーナ・フォン・アトラス! 貴様との婚約を破棄する!」
華やかな王宮の夜会で、第一王子ジュリアンに突きつけられた非情な宣告。冤罪を被せられ、冷酷な悪役令嬢として追放を言い渡されたリーナだったが、彼女の内心は……「やったーーー! これでやっとトレーニングに専念できるわ!」と歓喜に震えていた!
一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?
たまご
ファンタジー
アラサーの相田つかさは事故により命を落とす。
最期の瞬間に頭に浮かんだのが「猫達のごはん、これからどうしよう……」だったせいか、飼っていた8匹の猫と共に異世界転生をしてしまう。
だが、つかさが目を覚ます前に女神様からとんでもチートを授かった猫達は新しい世界へと自由に飛び出して行ってしまう。
女神様に泣きつかれ、つかさは猫達を回収するために旅に出た。
猫達が、世界を滅ぼしてしまう前に!!
「私はスローライフ希望なんですけど……」
この作品は「小説家になろう」さん、「エブリスタ」さんで完結済みです。
表紙の写真は、モデルになったうちの猫様です。
せっかく傾国級の美人に生まれたのですから、ホントにやらなきゃ損ですよ?
志波 連
恋愛
病弱な父親とまだ学生の弟を抱えた没落寸前のオースティン伯爵家令嬢であるルシアに縁談が来た。相手は学生時代、一方的に憧れていた上級生であるエルランド伯爵家の嫡男ルイス。
父の看病と伯爵家業務で忙しく、結婚は諦めていたルシアだったが、結婚すれば多額の資金援助を受けられるという条件に、嫁ぐ決意を固める。
多忙を理由に顔合わせにも婚約式にも出てこないルイス。不信感を抱くが、弟のためには絶対に援助が必要だと考えるルシアは、黙って全てを受け入れた。
オースティン伯爵の健康状態を考慮して半年後に結婚式をあげることになり、ルイスが住んでいるエルランド伯爵家のタウンハウスに同居するためにやってきたルシア。
それでも帰ってこない夫に泣くことも怒ることも縋ることもせず、非道な夫を庇い続けるルシアの姿に深く同情した使用人たちは遂に立ち上がる。
この作品は小説家になろう及びpixivでも掲載しています
ホットランキング1位!ありがとうございます!皆様のおかげです!感謝します!
【完結】✴︎私と結婚しない王太子(あなた)に存在価値はありませんのよ?
綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢
恋愛
「エステファニア・サラ・メレンデス――お前との婚約を破棄する」
婚約者であるクラウディオ王太子に、王妃の生誕祝いの夜会で言い渡された私。愛しているわけでもない男に婚約破棄され、断罪されるが……残念ですけど、私と結婚しない王太子殿下に価値はありませんのよ? 何を勘違いしたのか、淫らな恰好の女を伴った元婚約者の暴挙は彼自身へ跳ね返った。
ざまぁ要素あり。溺愛される主人公が無事婚約破棄を乗り越えて幸せを掴むお話。
表紙イラスト:リルドア様(https://coconala.com/users/791723)
【完結】本編63話+外伝11話、2021/01/19
【複数掲載】アルファポリス、小説家になろう、エブリスタ、カクヨム、ノベルアップ+
2021/12 異世界恋愛小説コンテスト 一次審査通過
2021/08/16、「HJ小説大賞2021前期『小説家になろう』部門」一次選考通過
「ちょっと待った」コールをしたのはヒロインでした
みおな
恋愛
「オフェーリア!貴様との婚約を破棄する!!」
学年の年度末のパーティーで突然告げられた婚約破棄。
「ちょっと待ってください!」
婚約者に諸々言おうとしていたら、それに待ったコールをしたのは、ヒロインでした。
あらあら。婚約者様。周囲をご覧になってくださいませ。
あなたの味方は1人もいませんわよ?
ですが、その婚約破棄。喜んでお受けしますわ。