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第四章.魔法学園
16.見守る二人
しおりを挟む人通りの少ない裏庭から中等部の校舎まで送り届け、一度生徒会室に戻った。
「悪かったなフィリップ」
「いいや、構わないよ」
生徒会室に部外者を入れてしまった事を詫びるも、使われていないなら問題ないと言うフィリップに安堵する。
「マリーと外で話すのは難しいからな」
「今はアレクシス殿下の婚約者だからか?」
「それもあるが…サングリアだ」
フィリップはなんとなく察した。
サングリアの人柄を知っているわけではないのであまり悪く言いたくないが、好きになれない女性だと思った。
「彼女は昔からああなのか?」
「ああ…幼い頃からマリーに対して強く当たっていた。まぁ、マリーは辺境地で育ち、貴族令嬢の嗜みより領地経営の勉学ばかりしていたことで…少しマナーがなってなくてな」
貴族令嬢としてのマナーを最低限にとどめ、薬学や、医学に、領地経営の勉強を優先させた祖父母にも問題はあると考えていたが、チャールズがフォローしていたので大ごとにならなかったのだ。
「マリーとサングリアは正反対だったからな」
「だからと言って、あんな一方的な…」
妹を溺愛しているフィリップからすれば姉が妹を守るのは当然だと思っていたので受け入れられなかった。
「サングリアは宮廷貴族の習慣が染みついている。それゆえに辺境地での暮らしは馴染めなかった…領地でも公爵家の使用人と衝突が多かった…しかし、彼女だけの責任とは言えない」
「何故だ?」
フィリップには解らなかった。
馴染めないのは自分で馴染もうと努力していないからではないのかと思ったが…
「幼い頃に王太子殿下の婚約者として教育され、公爵家の長女として大事にされ過ぎたことも原因だ」
「そんなの甘えだ。現にマリーは…」
「マリーは王都から追い出されていたが、母が愛情を持って接していたが、サングリアのように甘やかしてはいない。まぁ、他の使用人が甘やかすから、少しばかり自由に育ったが」
幼い頃の環境が二人の今の姿になっていると思った。
だが、マリーは王都に行っても根本的な部分は変わっていなかった。
それは幼少の頃から領主として常に下の人間に思いやりを持って接すること。
身分あるものはその地位で義務を果たす責任があると教えらえて来たからなのもあるが、本来の性格もあったかもしれない。
「マリーは根が優しいから」
「ああ、そうだな」
普段から表情がないフィリップだったが微笑した。
「だからなのか、サングリアの言葉を良い方に持っていくんだよ」
「少し哀れだな。あれは悪意が満ちているだろ」
サングリアの悪意に満ちた目は明らかなのに全く気付かないマリーはある意味大物だと思う二人は深い止め息をつくのだった。
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