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第四章.魔法学園
18.お邪魔虫
しおりを挟む午前の授業を終え、昼食は屋上庭園に向かった。
「マリー、こっちだ」
「アーク様」
中等部と高等部は校舎が違うのでせめて昼食だけでも一緒に取ろうと約束の授業を終え、昼食は屋上庭園に向かった。
「遅くなってすいません」
「いや、問題ないと言いたいんだが…何故君達もいるんだ!」
今日のランチデートは二人きりでするつもりだったのにお邪魔虫も一緒だった。
「嫌ですわ。殿下、私の事はお気になさらずに」
「ええ、どうか気にしないでくださいませ。マリー様、ノルマディア家の料理長が作った自慢のサンドイッチをどうぞ」
「わぁー、ありがとうございます」
「マリー様、よろしければキャメロン産の紅茶を」
「私はデザートお持ちしましたのよ」
気にするなと言いながら、完全に邪魔者扱いを受けるアレクシスだった。
「申し訳ありません殿下」
「アンナ…」
隅っこで申し訳なさそうにするアンナはひたすら謝った。
「君が悪いわけじゃない」
「はぁ…」
「どうせ、彼女達が無理やり一緒に行くとでも言ったんだろう?マリーに至ってはジョアンナ嬢が上手く丸め込んだんだろう」
マリーの性格を熟知している彼女達はどういえば断らないか解っているので簡単だった。
しかも、この場で彼女達を追い出せばアレクシスの立場が悪くなる。
それを見越しているのだから余計に質が悪い。
「殿下もよろしかったらどうぞ」
そう言いながらロザリアがお茶を出すも出がらしだった。
「おい…」
「殿下は渋めのお茶は苦手ですからちょうどいいではありませんか」
「ジョアンナ嬢…」
皮肉をめいた表情で言い放つジョアンナは底意地がかなり悪かった。
「くっ…!」
学園生活でも邪魔してくる気満々のジョアンナ達にアレクシスは胃を押さえていた。
「アーク様、どうしたんですか?」
「何でもないよマリー。君と二人きりになりたかったんだ」
「えっ…」
どさくさに紛れてマリーを口説こうとするも。
「まぁ殿下ったら。なんてはしたない」
「マリー様、騙されてはいけませんわ。まだお二人は婚約期間。結婚もしていないのに不埒な関係を持ってはいけません」
「何を言っているんだ!」
これに言い過ぎだと怒るアレクシスだったが黒い笑みを浮かべながら告げる。
「あら?二人きりになった所でマリー様を手籠めにする可能性は無きにしも非ずでは?」
「そんなことは…」
「では私達もご一緒でも問題ありませんわね」
「くっ…この悪女め!」
「最高の誉め言葉ですわ」
嫌味を言ってもジョアンナは余裕の微笑みを浮かべていた。
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