今日から悪役令嬢になります!~私が溺愛されてどうすんだ!

ユウ

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第六章.逆行した世界で

16.成績

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学園生活が始まり三か月後。
夏休み前に期末試験が行われ、成績が発表された。


中等部、高等部と一緒に発表されたのだが…


「嘘、二位!」

「マリー様!すごいですわ」


中間試験の時よりも成績が格段に上がっていた。
首席はアネットであるが成績の総合点はアネットに近かった。

「やった…やった!アネットのおかげよ」

「マリー様が頑張ったからですわ」

休み時間に放課後と時間の許す限り、マリーは必死で食らいつき、解らない問題はアネットに教わった。

常に教科書を持ち歩き勉強の日々だったが、ジョアンナは後から気づく。

「マリー様は専門的な知識は他の方よりも入ってましたし、何よりスポンジのように吸収力がありますので集中力もありますわ」

「イマイチピンと来ませんが」

「ちゃんと試験に反映されてるのが証拠ですわ」


ジョアンナは満足そうに笑った。
総合ではアネットが首席であるが、錬金術科ではマリーが実質首席という立場になる。

王太子妃としては成績が優秀なのに越したことはない。


「これでランクアップになりますわ」

「ランクアップになるとカフェテリアの待遇も変わるんですよね」

「それだけではありませんわ、在学中に冒険ギルドに登録している生徒や、商業ギルドに登録している場合は割のいい仕事が来ます。マリー様は商業ギルドに籍を置いてますので新しい商品開発に必要な研究室への出入りができますわ」

「おお!」

今までは実験室しか使えず、後は寮の庭で地道に薬草を育てたり、採取するぐらいだったが。


学園内にある大きな研究室の出入り自由になれば更なる発明品ができるということになる。


「沢山ポーションが作れるわ。それにもっと効果的な魔道具も!」

「マリー様、それだけではありませんわ。より質のいい魔道具を作れば評価に繋がりますのよ」

卒業までにランク上げをしておけば卒業生は推薦してもらえる。
特に下級貴族は卒業後はできるだけ条件のいい職種に就くことができる。

騎士を目指す者は近衛騎士になる道もひらけるということになる。


「このままランクを上げて卒業までに私専用の研究室を貰うの。それで、ポーションだけじゃなくて薬も作るんです」

「まぁ、ポーション以外の?」

「はい、王都と違って辺境地では薬を売買している場所が少ないし、商業ギルドの数も少ないでしょ?だから辺境地に薬局を作って…それから」


逆行する前の事を思い出す。
不治の病で倒れた領民達ももっと気軽に薬を手に入れれば病気にならなかったのではと。


(そうだわ…私も)

かつて不治の病も治す方法があるかもしれないと思ったのだった。


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