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第四章
4愚兄の更なる勘違い
しおりを挟む領地を追い出され縋るような思いで伯母夫婦を頼った俺達に無情な仕打ちを受け、警備隊に屈辱的な扱いを受けた後に俺達はまたしても追放されることになった。
「何故こんな屈辱を受けないといけないんだ!」
俺達はこんな酷い目に合うなんて許されない。
全てはの原因はマリーが悪いんだ。
そうだ、アイツはこれまでの恩を忘れて!
「このままで終わっていいはずはないわ」
「何を…」
今の俺達に打つ手はない。
商業ギルドに行っても門前払いだ。
領地内の俺の取り巻きはあっさりと手のひらを返したかのようだ。
誰もいない。
今までは俺達のご機嫌取りをしたギルドは既に敵となった。
あの男の命令にしか従わない。
「王都に行くのよ。そうすればあの人だって考えを改めるわ。マリーだって!」
「そうか」
マリーは馬鹿だからきっとアンリとその母親にいいように言われて勘違いをしているだけだ。
手紙だって代筆に違いない。
俺達が上手く使ってやらなければ価値がないんだ。
マリーが俺達に歯向かうなんてありえない。
許されることはないのだから。
「そうだ。王都に行き、マリーと直接話せば」
「そうよ。きっと頭を下げるはずよ。あれは私の言う通りに生きていればいいのよ…私の」
「そうだな。俺達の…」
ずっと引き立て役だった。
なのに、学園に入り、勘違いしてしまったんだ。
俺達の手で軌道修正をしてやらなくては。
百貨店の権利だって俺にもあるはずだ。
マリーが事業をするよりも俺の方がもっと上手く稼げる。
「母上、王都に」
「ええ」
そうだ。
王都で華々しく返り咲ける。
あんなしょぼくれた領地なんてくれてやる。
王都の貴族街にこそ相応しい。
俺の本来いるべき場所は王都の貴族街だ。
俺達はその後残った金で船に乗り最短で王都に行くことにした。
船旅も屈辱的な扱いを受けるも耐え抜いた。
王都に到着するまでの辛抱だった。
手紙に書かれている住所を辿ろうとした時に、辻馬車の従者から告げられた。
「マリー夫人は現在別邸に住まれていると聞きます」
「別邸だと?」
「いいわ。では、その別邸に案内なさい」
「かしこまりました」
俺達が苦労している間に、マリーは複数の邸を有して贅沢な暮らしをしていると知り不快な気持ちになるが、同時にその別邸はいずれ俺の物になると思えば興奮した。
邸を奪ったらこれまでの償いをさせてやる!
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