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第四章
5もう一人の協力者
本当に馬鹿だ。
ここまで頭がスカスカだとは思わなかった。
マリーお嬢様に手紙で呼び出されたのは今から一か月前の事。
「ご無沙汰しております。マリー様」
「お久しぶりです。キム」
旦那様が領地を追い出されると同時に同じくして私も身一つで旦那様について行った。
他のも連中も思いは同じだった。
私達はディアス様に拾われた身。
一生お仕えする事を決めていたのにあの女は理不尽な理由で追い出した。
離縁を望んだのは旦那様であるが、そう仕向けたのはあの性悪女だ。
マリー様を追い出した事も許せないが、ディアス様をズタボロになるまで使い続け、いざっディアス様の立場が良くなれば手のひらを返すなんて許されない。
だが人の噂を止めるのは難しい。
領地内で復縁すると触れ回っているが、所詮狂言だが。
その噂を逆手に取る馬鹿が増えて来た。
モンハン領地を与えられそれ以降は、旦那様は出世街道を突き進んでいる故だ。
元より旦那様は優秀で、物事の本質を見抜く才に優れていた。
かといって強欲ではなく控えめな事もあり、人誑しの才は天下一品だった。
今では侯爵の地位と未来の財務大臣の地位を約束されている。
そんな最中に旦那様を潰したい者。
旦那様の地位を欲しいと願うダニアと、最悪な組み合わせが出来たのだ。
そしてその魔の手はマリー様にも伸びている。
「これ以上あの人に振り回されたくないのです。お父様とあの人と復縁はありえますか?」
「ありえません」
そんな事許されるはずがない!
「キム、私はここで徹底的に潰すべきだと思います」
「マリー様…」
弱弱しかったマリー様はもういなかった。
あの馬鹿親子からの呪縛から解き放たれたのかもしれない。
「私は悪女になるます」
「ご冗談を」
あの親子がやらかしてきたことを考えればこの程度可愛いものだろう?
「あの二人を王都に来るように仕組みながらもお父様に近づけず、報いを受けていただきたいのです」
「かしこまりました」
「それと並行して調べていただきたいのです」
渡されたのは先代の急死に関しての事だった。
「夫も調べてくれていますが別ルートでも調べて欲しいのです。そしてあの二人を監視する者も用意してください」
「かしこまりました」
「後は詳しい計画はこちらに…」
解りやすい計画書を見せられ笑みを浮かべる。
これはまるで劇の脚本のようだった。
「私は家族の未来を守りたい」
「承知しました」
二度とあの女の所為で傷つく人を増やすべきじゃない。
このキム・ヤックル。
お役目を全うさせてもらいます!
気合を入れて役目を全うしようと思ったが、あの親子は思った以上に馬鹿だった。
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