兄を溺愛する母に捨てられたので私は家族を捨てる事にします!

ユウ

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第四章

13傷だらけの心





泣きじゃくるマリーをただ抱きしめるしかできなかった。
俺達が駆けつける前に何があったか確かめなければならないがその前に。



「何処までマリーを傷つければ気が済むんだ下衆が」


「ぐっ…」


胸倉を掴み今すぐ殺してやりたい気分だった。
マリーの苦しみはどれだけ深いのか。

虐げられた過去はあれどここまで自分を追い詰める事はない。
心をここまで傷つけられるような出来事があったんだ。


「俺は悪くない…悪いのはその女だ」

「そうよ出来損ないの癖に!さっさと権利を渡せばよいのに…すぐのその手を!きゃああ!」


もうダメだ。
話しをするだけでも嫌悪感を抱くいてしまう。


「いい加減にしなさい」

俺が殴ってやろうと思ったが、母さんがあの女の胸倉を掴んだ。


「何処までの人間のクズが…」

「痛い!何をするの!」


母さんが拳を振り上げてあの女を殴り飛ばした。


「自分の娘を何処まで傷つければ気が済むの!こうなったのは誰が悪いと思っているの」


母さんも傷ついた表情をしていた。
マリーを実の娘のように思っているからこそズタボロにされた姿は見るに堪えないものだったのだろう。



「貴方…助けて!この野蛮な女を!」


背後にいる義父さんに助けを求めるが、馬鹿だろ。


「何をぼさっと立っているんだ!本当に役に立たない男だな」


この後に及んで馬鹿だろ。
義父さんを侮辱して、もう許されることはない。


「どうして…お祖父様を殺したんですか!貴女にとって実の父親を」

「ハッ…ハハハッ!」


何がおかしいのか。
笑い出すダニアに誰もが言葉を失う。


「あんな邪魔な男必要ないわ。だって私を愛さないで…何で血の繋がりのない男を愛して。跡継ぎにして、財産を、領地を引き継がせるなんて!」

「なんて事を…」

「私は実の娘なのに。私に全く財産を残さず…アンタを養子縁組にして財産を全て譲るなんて!しかも私には一切の財産は譲らないでマリーになんて!」


嫉妬心からずっと義父さんを憎み続け冷遇していたのか。
そしてその恨みはマリーにまで。


「ずっと憎かった。アンタのその目はあの男に似ているのよ!私を愛さないあの目を…」


「そんな理由で…それだけの為に」



マリーの手が震えた。
実の父を殺す理由があまりにもくだらなさ過ぎて言葉もなかった。



「罪人に言葉を交わす気はなかったが…」

「何を言っているの?早く助けなさい!夫でしょ!」


「そうだ家族だろう?」


今まで散々義父さんを侮辱して置きながら今さら家族面をするなんて反吐が出る。


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