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番外編
シェパード⑧
しおりを挟むこれ以上聞きたくない!
「止めろぉ!」
聞きたくない事をペラペラ言われ俺は声を荒げて暴れたが意味がない。
硝子の壁で隔てているし、俺を監視している騎士がいる。
そいつらに押さえつけられてしまった。
「本当にお育ちの悪さが解りますわ。貴女の母君も同じように叫んでいたそうですわ」
「は?」
「私とは別に面会にいらしたのです。ポーレット夫人ですわ。現在王都では三大商会に入る程の商人貴族となられていますが」
「何で…あんな女が!」
間違っている。
世の中おかしいだろう!
「そうそう、本日ここに来たのは貴方をここから出す為ですわ」
「え…」
やっぱり俺に気があるのか?
金を払って俺を出そうとしてくれているんだな!
「貴方の素行が悪く、直ぐに引き取って欲しいと言われているそうで」
「ここの監視役も手を上げてしまって別の場所にとのことです」
「は?金を払って出してくれるんじゃ…」
まるで俺が厄介者だと言っているようじゃないか。
「何故私がそんな真似をしなくてはなりませんの?赤の他人で無関係なのに」
「噂通り頭が空っぽな男のようですな」
ここを追い出された後俺はどうなるんだ?
ここよりも良い環境に行けるのか?
「ここで使いようのない人間、更生の見込みがない人間は墓場に送られます」
「墓場…」
「正確には精神病を患った人間をお世話する施設です」
「は?施設…」
そんな場所に俺が送られるのか?
冗談じゃない!
「貴方のお母様もその施設に送られました。勿論精神が通常でなないので」
「母上が?」
「面会に来た方を襲おうとしたので…施設に送られました。良かったではありませんか、親孝行港ができますわよ?現在は介助が必要ですから」
「待て!俺に母の世話を…」
「あれだけお母様の事を知っていらしたんですから嬉しいでしょう?最後まで一緒に」
冗談じゃない。
何で俺が母上の世話をして一生を終わるなんて…そんな惨めな生活耐えられない。
「私からの最期慈悲ですわ。貴方も鉱山で重労働をするぐらいながらお母様のお世話をする方が良いでしょう?」
「嫌だ!何で俺が母上なんかを…大体こうなったのはあの女の所為だろう」
そうだ。
俺がこんな生活をしているのに自分だけ精神を病んで俺の世話になるなんてズルいだろ。
最期は俺の世話になる?
冗談じゃない!
「もう決定していますのよ」
監視していた連中が俺の腕を掴み連れて行く。
「止めろ…いやだぁぁぁぁ!」
そして俺が連れて行かれた施設は、精神を病んだもの。
他は感染病にかかった老婆ばかりだった。
「早く汚物をなんとかしろ!」
「うるさい!何で俺が…」
「この役立たず!」
「ぎゃあああ!」
俺と同じようにこの施設に送られた奴が俺を突き飛ばす。
その先は排泄物の捨て場。
俺はこの先、この場から逃げられないのか。
人間以下の扱いを受けることなくこのまま一生を終えるなんて…。
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