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第一章
6ゲスな連中
しおりを挟むグランパニア帝国では正義の天秤を持つ女神。
正義の女神を信仰している。
どんな理由があろうとも我らが女王陛下は不義を働いた者はしかるべき裁きを受けさせる。
麻薬や人身売買は身分問わず重罪。
法律を破れた国が乱れ、無法務地帯になる。
それでも高位貴族は法を破ろうとする。
故に法を徹底して守る役人が感情に左右される裁かれる。
念入りの調査をして、裁判で悪事を明らかにする。
「法律を守らないクソ野郎。そして堂々と詐欺をする腐った連中。それを支持するクソのような貴族組織」
「おいクソクソ言うな」
「クソと言って何が悪いの。既に調査だけでクソだと解ったわ」
既に表であくどい商売を重ねている。
商会は金貸しもしているけど、やり方が余りにも酷かった。
傾きかけた店に金を貸して、利子を高くとる。
しかも店にはは嫌がらせをして支払いが滞れば取立人を店に向かわせ店の評判を悪くさせた。
店を潰し、格安で権利を奪う事でカスケード家は利益を得る。
「被害にあった店の女主人にも手を出そうとして断れば店を潰しているそうよ」
「父親も最低ね…」
既に聞き込みをして解ったが、カスケード家に苦しめられた人は少なく無い。
そしてルーナという女。
あの女とんだ食わせ物だ。
「ただ当時の事件をこっちで調べたんだが。商員の一人が言っていたよ」
「何?」
「自殺を図ったリナ嬢を見つけた時に床に釣り糸が落ちていた。それにドアノブが壊れていたと」
「ドアノブ?」
自殺した時に使ったのは紐だった。
釣り糸を使う理由は何?
「それから第一発見者の商員は首を吊るのを見たわけじゃない。カーテン越しに首を吊るのを見たと」
「こう考えられないかしら…」
人はせっていると判断を間違える。
先入観に囚われてしまえは冷静な判断力が鈍るのだから。
「キャサリン、頼まれていた事を調べたよ」
「クーさん!」
別でクーさんに調べて貰っていた。
「診断書を調べたんだが、体内から薬物を検出された」
「薬…」
「彼女は病を患っていない。普段から薬の服用はしてないようだ」
普段から薬を服用してないのにおかしい。
婚約破棄をされても薬に頼ることがない程気丈に振舞っていたのだろう。
「こう考えられない?誰かに薬を飲まされ首を絞められた」
「だが、首を絞めたとしてもどうやったんだ?」
現場には第一発見者は商員でボロネーゼ伯爵家の執事。
首を吊ろうとする現場を見て処置をしてくれたから一命は取り留めた。
だけどこのまま亡くなれば喜ぶのは屑野郎だった。
「母親は娘が自殺を図った事でショックを受けている」
「このまま母親に何かあれば、ボロネーゼ夫人の取り扱っている独占権利を奪う気だろう」
娘よりも母親に死んでほしいのだろう。
年齢的にも体力的にも耐え切れないだろうけど。
「こいつ等何処までも屑なんだ」
「公開処刑決定ね」
弱い者を踏みつけて来た対価は支払わせてやるわ!
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