聖女でなくなったので婚約破棄されましたが、幸せになります。

ユウ

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第一章

18第一騎士団の決意

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「これはどういう事だ!」


ジュリエットが出国したと同時に、多くの騎士団。

特に第二騎士団が国を出てしまった。


「第二騎士団全員が騎士団を辞め、家族を連れて国を出られました」

「そういう事を言っているんじゃない!国の守りの要である王立師団の者まで等!」

「王立師団は大半が下級貴族や平民出身です。ジュリエット様に心酔しておいでですから」


第一騎士団団長がきっぱりと告げる。


「何を呑気な!国の魔導士までも失うのだぞ」

「そうは申されましても、忠誠心とは命令ではどうにもならぬのです。引き止めれば国内で自害するでしょう。騎士が戦争以外で集団自害をされては国の沽券にかかわります」

「それを止めるのをお前の役目だろうが!出来損ないが」

「申し訳ありません」


言葉では謝罪しているが内心では違う。


(馬鹿な王太子だ)


第一騎士団団長はオルヴィスを王太子として認めていなかった。
長子だから王太子になれたに過ぎない。


「一度騎士団を辞めた者は戻れません」

「必要ない!あんな出来損ないが」

(出来損ないか…)


第二騎士団は貴族よりも平民が多い。
以前からオルヴィスは平民上がりの騎士を差別していた。


身分差別が酷いオルヴィスにとって彼等がいない方が良いと思ったが。




「大変です!王都内に魔物が出没しています」

「災害の被害が!」

「西の地で大量の瘴気が!」


ジュリエットが国を出て、第二騎士の騎士が抜け穴は相当な物だった。
彼等は自分達の警護地区以外にも寝る時間も削って警備に当たり、魔物から民を守って来た。


その努力を多くの民は見ていた。
ジュリエットも彼等を守る為に離れた場所で祈り結界を敷いていたのだ。


国民の感謝する思いと聖女への信仰心。
その二つがより祈りの力と聖魔法を高めていた事をオルヴィスは知らなかった。



「団長・・・」

「しばらく私は謹慎だ。お前達も」

「そんな!」

「悲観する事はない。謹慎中に好き勝手するさ」


第二騎士団を止められなかった責任を取らされることになったが。


「民を守る為に動けるだろう」

「団長!」


王宮で無駄な時間を過ごすぐらいならば今も魔物に苦しんでいる民の為に働く方がずっと良いと思ったのだ。


「聖女様の警備は他の第三騎士団、第四騎士団がするだろう」

「承知しました」


その日、第一騎士団は謹慎処分を受け。
王都内の貴族街の警備が手薄になるのだった。


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