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第二章
27知能犯アルフレッド
しおりを挟む寄生型の魔物とはその名前の通り肉遺体に寄生する。
元となる人間の精神と切り離せない部分がある事をアルフレッドは熟知していた。
「どうした?動揺しているな」
「黙れ!」
精神が弱ければ弱い程に魔力を叩くのに有効なの精神的攻撃。
魔力がどんなに強くでも動揺で鈍る事は少なく無い。
「ジュリエット!時間を稼ぐから頼んだぞ」
「はい!」
重傷を負ったリアンは軽傷までに傷を癒す事ができた。
後はアルフレッドに時間を稼いでもらう中、結界を強めれば勝機はある。
「何をしているミーシャ!」
「ぎしゃぁぁ!」
ミーシャを従えアルフレッドに襲わせようとするも動きが止まる。
「魔物と言ってもすぐに力を使えないようだな…何より既に虫の息の状態だったからな」
「役立たずが!」
魔物にされる前に既に負傷していた事で完璧な戦力にならなかった。
「魔女が魔物を完全な下僕にするには時間がかかる。万一の時の為に少し仕掛けをさせてもらった」
「これは…」
「聖魔法とは異なる浄化魔法だ」
ミーシャがジュリエットに敵意を持った時に既に布石を投じていた。
魔女になった時に、既に手を打っていたのだ。
「依存型の魔女というのも厄介だな」
「何ですって?」
「何かに縋らなければ力を使えないんだからな」
ミーシャは魔女として力を使い過ぎていた。
その時点で魔物として使い物にならなかったのだが、もう一つ要因がある。
「もっと早くに魔物にしていれば使い物になっただろうな」
「くっ…」
既に地面に倒れこんだミーシャは力尽きた。
そして追い込まれるイライザは後がなくなった。
「だったら!」
イライザは自らの胸に大鎌を突きさし竜の姿になった。
「お前達を逃がすもんか!」
人から竜の姿になったイライザは口から黒い炎を放つ。
「ここでお前達を殺してやる!」
王宮は既に崩壊寸前だったので崩壊していく。
周りは火の海で下に落ちて行く。
「このまま消えてしまえ!聖女なんて消えればいい!」
既に理性を無くしているイライザはジュリエットを巻き込み死ぬことを望んだ。
「そうは行くか」
「リアン様!」
傷を癒されたリアンは立ち上がる。
「まだ立ってはダメです!」
「ルーアン、君ならイライザの心臓の部分が見えるはずだ」
「え?」
聖女としての力は弱いが眼力を持つルーアンならばイライザの弱点を見ることができる。
「イライザを完全な形で封印するには心臓の部分を見つけないとダメなんだ。過去に聖女が魔女と対峙した文献がある。真実かどうか解らないが」
「やってみるしかありません」
ルーアンはイライザを睨みつけ、覚悟を決めた。
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