聖女でなくなったので婚約破棄されましたが、幸せになります。

ユウ

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番外編

2元王子の末路②

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話しは今から少し遡る。
魔物が王宮に責めて来た頃、我が身可愛いさに真っ先に避難をしたオルヴィスは自分の身を第一に考えた。


周りには早々に王宮を捨てて逃げた来た貴族が大勢いた。
避難場所まで馬車で向かう最中、他の貴族と共にできるだけみすぼらしい馬車に乗っていた。


正直、こんな馬車に乗せられるとは思ってもおらず気分は最悪だったが文句も言える状態ではない。

走行中も地面は揺れ、魔物が襲って来るのではないかという不安に押しつぶされそうだった。

「クソっ…クソクソ!何だってこんな事に」

「もう国は終わりだ」


頭を抱え震えている国王は見るに堪えなかった。


「こうなったのも、ジュリエット嬢を追放した所為ではありませんか」

「王族として、王太子としてどう責任を取られるのか!」


国の崩壊はジュリエットを追放した所為だと責め始めた。

「そもそも、私は最初から反対だったんだ」

「そうだ、あんな茶番劇など」

「イライザ等が聖女等…間違った聖女を選んだ殿下の眼がおかしい」

「魔女を王宮に入れるなど」


ジュリエットを罠にかけようとしたのは貴族派の貴族や、保守的な神官に聖職者も同じだったにも関わらず、この場でオルヴィスを生贄にして責めた。

彼等にとって誰が悪いなどどうでも良い。
誰かに責任を押し付けて自分は悪くないと罪から逃れるのに必死だ。

ガタガタ!


「おい!ちゃんと馬車を…」

馬車が揺れ、動きが止まる。


そして――。


「シャァァア!」

「ぎゃああ!」


巨大な蛇が襲って来る。

「魔物が…誰かなんとかしろ!」

「早く逃げろ!御者…何をして…ひぃ!」


馬の手綱を掴んでいた御者は既に死んでいた。


「俺を守れ!」

「何で私が裏切者の王子を守らないとダメなんだ!責任を取れ」

「何だと!」


我が身が可愛いのは誰も同じで自分が助かる為ならばどんな犠牲も良かった。


馬車を抜け出し、命からがらに逃げた先に同じくして避難をしていた民達により彼等は助けられるのだった。


「アンタ達、何処から来たんだ」

「今の状況下で馬車で移動なんて無謀だぞ」


歩きで安全な場所に避難する予定の民達に救われた二人は安堵した。


「そうか。礼を言ってやるぞ・誰か水を…喉が渇いた」

「すぐに持ってこい」


オルヴィスは平民である彼等に礼を言う事無く横柄な態度を取り、水を持ってくるように命じるも。


周りの視線が冷たく突き刺さるのに全く気付かなかった。

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