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番外編
4元王子の末路④
しおりを挟む貴族と平民では考え方が異なる。
男女差別が激しい世界で身分が加わるのだが、子供には未知の世界だった。
しかし子供は時に大人が想像がつかない程に聡明だった。
「馬鹿ね。そんなの馬鹿王子が無能で聖女様が優秀過ぎたのよ」
「そうなの?」
「だって王宮ではふんぞり返っているけど。何かした?視察は来ないし、真面な王子様はリアン様ぐらいよね」
「そうそう。甘やかされた馬鹿王子が国王とは無理無理!馬鹿王子はカボチャパンツ履いてればって感じ」
おませな少女達は小ばかに死ながら笑ってオルヴィスを馬鹿にした。
「俺はカボチャパンツなど履くか!この無礼なクソガキが!」
「殿下!」
隣で静観していた貴族がギョッとする。
ここで暴れればどうなるか解らないのかと思い、止めようとするも。
「やっぱり馬鹿王子だったんだ?」
「は?」
「だって態度だけはでかいもん。でも本当に裸の王子ね」
「裸の王子?」
今のオルヴィスは何も持ってない。
権力も地位もない虚勢だけ立派な王子だった。
王都では裸の王子と言う物語が存在していた。
「こいつがジュリエット様を苦しめた王子」
「私達が苦しんでいるのに何もしなかった王子…傍にいる奴は貴族か」
彼等の表情が見る見る怒りで染まって行く。
そして囲まれてしまう。
「何をする気だ」
「うるせぇ!てめぇらの所為で」
「ジュリエット様の敵だ!魔物の中に放り出してやる」
「その前に他の奴等にも教えてやろうじゃないか!」
殺気立つ彼等は武器を突きつけ拘束をする。
「やっ、止めろ…俺は王子だぞ」
「馬鹿言ってんじゃねぇ!この国はもう終わりだ」
「なのに自分だけ先に逃げようなんて許さねぇ!」
民の怒りはオルヴィスに向けられていた。
そして傍にいる貴族にも。
「待て、私は関係ない。悪いのは…」
「アンタ達も同罪だ。お前達!貴族も捕らえろ」
「ああ、許さねぇ!」
オルヴィスを犠牲にして自分だけは逃げようとした態度が許せなかったので同様に捕らえることにしたが魔物が襲ってきたことでオルヴィスはその隙をついて逃げ出した。
逃げたのも束の間、王宮に集まっていた魔物は封印され魔女も消えた。
聖女ルーアンが魔女を封印した事で国は救われたが、ハクセンス王国が国王と王太子の身柄引き渡しを要求した事により連行される羽目になった。
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