聖女に恋する王太子の身代わりで侯爵家の婚約者(仮)になりましたが、婿に望まれたので今更後悔しても遅いです!

ユウ

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第一章侯爵令嬢の婚約者(仮)

37王太子の失態~ジルベールside②



父上の怒鳴り声にビクつく。
隣にいる母上は止めることもしない。

むしろ同じように私を責めようとしている。


「お前はどうして勝手な真似をしたんだ!」

「レティシアとの婚約を勝手に破断して、その挙句クレイン家の子息を暗殺しようなんて。私達の顔にどこまで泥を塗れば気が済むの!」


「違います…誤解です。私は側近のあれを連れ戻すようにと…」

「連れ戻す為に側近全員を侯爵家に行かせた時点でアウトだ!」

「私は…間違いを正して」


私は侯爵家にいるアレクシウスにとど凝った仕事をさせろと命じて、侯爵家から連れ戻せと命じた。


侯爵家の仮の婚約者であることを再確認して忠誠心を見せさせるために。



「おかげでリシュベール侯爵家は正式に訴えるとのことだ。お前は国庫がどれだけ赤字か解っているのか!これまで後ろ盾だったリシュベール家は一切の援助を切って来たんだぞ」

「は?」


国が赤字だと?
そんなはずはない。


「レティシアの祖父がこの度の婚約破棄に関して身を乗り出してきた」

「祖父?それがなんだと…」

「この馬鹿が!」

「うっ!」



父上に胸倉を掴まれ指に嵌めている指輪が食い込んでくる。
こんなにじゃらじゃら指輪をしておいて国が赤字なはずがないだろう!


「レティシアの祖父は隣国の前国王陛下の弟に当たる。今でもその権威は相当なものだ」

「そんな…」


「大帝国とも繋がりがある!」

「万一大帝国が不敬だと言って我が国に責めてきたらどうなるか解っているの?こんな小さな国一瞬で吹き飛ぶわ!」


「大げさな…」


たかが女一人を婚約破棄をしただけだ。


「婚約を解消しただけならば大事にならなかったでしょう…けれど、婚約破棄をした令嬢の新たな婚約者を暗殺しようとしたとなれば別よ」

「相手がいかにうだつのあがらないクレイン伯爵家の息子でもな」


「クレイン辺境伯爵が正式に手紙を直筆で寄こしてきているわ」

「お前はとんでもないことをしでかしてくれた」

「今の貴方には何もないわ。婚約者の後ろ盾も人質にしていたクレイン家の息子も…挙句聖女召喚の所為で多くの負債を作ったのだから」




アレクシウスは親に売られたも同然だったはずだ。
おかしいだろ?


何で今まで何もしなかった癖に…


「クレイン辺境伯爵が、これまで甥が虐げられた証拠を突きつけて来た。音声証拠もある…逃げられんぞ」

「子供がしたこと。私達は関係ないわ…でも、侯爵家の後ろ盾を失うのはまずいわ」


「そんな‥‥父上!母上!」


私を見捨てると言うのか?
息子である私を?


こんな簡単に捨てられるなんて…


あんまりじゃないか!
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