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第二章精霊に愛されし子達
5嫌な予感~レティシアside
しおりを挟む私の知らない所で多くんことが起き過ぎている。
現在王家の信用は失墜してもいいわ。
聖女召喚をしてからというもの国の情勢は良く成るどころか悪化している。
しかるべき儀式ではなく無理なやり方の所為だから聖女が悪いわけじゃないけど。
未だに引きこもっている聖女。
国王陛下と王妃陛下は事情を聞いても何の対策も取らないどころか関係ない素振りを見せ、国の情勢は宰相が対応しているそうだけど。
日に日に辺境貴族達は不信感を抱き、お父様もこのままいけば国内でクーデターが起きるかもしれない。
「どうしたらいいのかしら」
腐っても私は貴族の考えが染みついている。
国がどうなろうがこの際どうでもいい。
ただ国民を巻き込むことは許されない。
建国前から存在する貴族は民を守ることを一番に考える。
宮廷貴族とは相いれない考えを持つのだから当然と言えば当然だろうけど。
部屋に戻った私は一人で答えが出ない癖に悩んでいた。
そんな時だった。
蜂蜜の甘い香りがした。
「レティー!アップルパイを焼いたんだけどどう?」
「アレックス」
私の悩みを踏み潰すように現れたアレックス。
「食後にどう?」
「ええ…いただくわ」
どうしてアレックスはピンポイントで現れるのかしら。
ご丁寧に私の大好きなお菓子を用意して。
「待ちなさい!そんな大きなアップルパイを二人だけで食べる気ですか!許しませんよ」
「レティー…ついでにかくまって」
「また変なのを誑し込んだですか」
ついでまた悪い癖を。
リオネルだけでも面倒だと言うのに、さっそく誑し込んだのね。
「美味いな…もぐもぐ」
「って!何時の間に!」
音もなく現れ勝手に私のアップルパイを食べるのはあの男。
「これは中々だな。茶をくれ」
「どうぞ」
「アレックス!何普通に給仕しているんですの!」
当たり前のように給仕するのが癖になっているわ。
なんとしても改めて貰わないと困るわ。
同時にこの性悪皇子に近づかないようにしないと。
「実にいい仕事をしてくれる。俺の専属の家政夫にならないか?」
「アレックスは伯爵令息で私の婚約者ですわよ!」
「けど、形だけだろ?どうせ婚約解消するなら俺が面倒見てやるよ」
「なっ…」
この男、堂々と!
「そうなのですか?貴方、王子の下僕の次は侯爵令嬢の下僕をしているのですか」
何でそうなるのよ!
そんなはずないでしょうに!
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