義妹ばかりを溺愛して何もかも奪ったので縁を切らせていただきます。今さら寄生なんて許しません!

ユウ

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81ドナドナ

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大公家。
王族の中でももっと血筋が良いとされ、先代国王が病に倒れた後に代行を行っていた方だ。


会った事はないが我が国の英雄とも呼ばれている。
その理由は今から五十年前に敵国の戦争で勝利して国を救った英雄。

血筋が良いだけではなく博識であり慈善活動も活発に行い平民だろうと貴族だろう実力があるなら宮廷師団にスカウトして学校にも変える制度を作った人物だと言われている。


大公様が直接スカウトした人達は皆出世している事から指導者としても優れていると言われている。





百姓貴族令嬢。
しかもバツがついている私が踏み込んで良い領域ではない。


「アリア、心配ない。そんなに怯えなくても」

「団長さん。私の骨は海にお願いします」

「アリア様、その時は逃げましょう。私は騎士の娘です…多少の心得はあります。男の弱点は心得ております」



馬車の中でガタガタ震える私。
覚悟を決めたけど、でもやっぱり怖い。


「ドナドナされるってこんな気持ちなのね」

食べられる寸前の牛の気持ちを理解した。
怖い、怖い、怖いぃぃ!



「まぁま?」

「アリッサ、短い間だったけど幸せになってね」


王族に手を出せば昔なら針山をはだしで歩かされた後に首ちょんぱ。
もしくはギロチン?熱い鍋に湯出られるとか?


「出来たら苦しまずに死ねるギロチンを…」

「アリア様ぁ!」


数百年前に先代国王陛下が罪人に慈悲をと考えられ作られたギロチン。
ぱっとみは非道に見えるが痛みを感じないで死ねるのだから。


「ああ、神様…どうかお許しを」


せめて領地にいるお祖母様、お父様にお母様には害がいかないよいうにお願いしよう。


「アリア、君は誤解をしている」

「団長さん…ぐすん」

「大公殿下はそんな真似をなさらない」


団長さんは騎士団団長であるから面識はあるかもしれないけど私はまったくの初対面。
お孫様に非道な真似をした男の元妻であるなら…



「邸にご到着いたしました」

「ああ、地獄までの案内が」



怖がっていても時間は待ってくれない。
馬車が止まれば降りなくてはならず私はか覚悟を決めると。


バァン!


「アリア!どうした!」

「アリア様!」


私は出迎えてくれた人を見て即座に馬車の扉を閉める。


「気のせいよね?マッチョなおじいちゃまが…」

「いや、その方は」


団長さんの言葉を遮るように扉が開かれた…というか鍵がかかっているのに無理矢理開かれてしまった。


「あああ!私の城ぉぉ!」


御者の人が叫んでいた。


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