義妹ばかりを溺愛して何もかも奪ったので縁を切らせていただきます。今さら寄生なんて許しません!

ユウ

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80不安

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アリッサの傷も完全に塞がり穏やかに暮らしている中。

「あー!」

「アリッサ?」


「立ちましたわ!」


大事件が起きた。
まだ早すぎるのに、アリッサは立った。

しかも歩行器もなしに壁に手をつけてそのまましっかりと。

「すごい…すごいわアリッサ」

はいはいもして間もなくだったのにこんなに早く立つなんて。
最近は夜泣きもばく大人しい。


「マヤの時よりも早いですな」

「やっぱり血かしら?」

調べて貰ったらアリッサの血液鑑定をすると間違いなく王家の血筋だったそうだ。
目の色だけでなくちゃんとした検査をした。


父親は大公殿下のご子息が父君らしく、聞いた時は私も絶句した。


「事実を聞いた時は恐ろしかったわ」

「メリッサ様は薬を盛って酔わせて貴族の子息と肉体関係を持ってお金を恐喝していたそうですわ」

「何をしているのでしょうか!」


今まで社交界で好きに遊べたのは、公にされたくないから。


「阿婆擦れだから捨てられたのでしょうね?でもロベルペール侯爵夫人は放蕩な次男は縁を切ったそうですわ」

「ええ、聞いているわ」

妾腹のご子息はこれまでやりたい放題をしていたので勘当したそうだ。
元より駆け落ちした時点で修復は無理だし。


離縁してロベスペール侯爵は追放の身となっている。


通常は逆なのだけど、ロベスペール侯爵夫人は結婚と同時に養子縁組をされていたそうだ。
優秀な故に前ロベスペール侯爵は万一の事を考えられたそうだ。


嫁と言う立場では遺産を相続できない。
しかし、養子縁組をすれば遺産相続は可能だ。



「血が繋がってなくても強く結びつけることもあるのね」

「アリア様…」


私は義母と心を通わせられなかった。
でも、ロベスペール侯爵夫人は舅と姑との関係が良好だったのはきっと大変な苦労をされたのだろう。


「アリア様は悪くありませんわ」

「そうです。シャドール侯爵夫人もアリア様を我が子のように…」

「そうだね」

今気にしても仕方ない。
前進あるのみだ。


「アリッサは何時引き取りに来られるのかしら?」

「大公殿下が養子にと考えられているそうなのですが…その事でお話があると」

「どういう事?ジョイル」


私の代理で王宮に出向いてくれたジョイルは冷や汗を流していた。


「アリッサ様の事情を詳しく説明したいと…その」

「行かないわけには行かないわね」


むしろ私に拒否権はないようだ。
もしかしたら私は訴えられるのかしら?

離婚したと言っても元妻なのだから…。


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