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122生まれ変わって
しおりを挟む受け身ではダメだと思い覚悟を決めてあれを身に着け夜を迎えた。
「奥様…大成功だったんですね」
「何も聞かないで」
鏡を見るのも恥ずかしい。
エレンディス様は現在私の好きなお菓子を買いに行ってくれている。
体力がない私は結局、まな板の鯉だった。
だけど昨夜だけは違っていた。
今までは優しく恐れるように触れていたのに、違って見えた。
「この調子だと順調ですわね」
「順調?何が…」
私は変わらずされるがままなんだけど。
「何って決まっていますわ。お世継ぎですわ」
「世継ぎ…」
「奥様はまだまだお若いですから何も問題ありませんわ。それに旦那様は地位もありますので」
「うっ…」
でも、気が早すぎじゃないかしら?
だってまだ新婚旅行よ?
「奥様、申し上げにくいのですが」
「何?」
ジョナが言いにくそうに耳元で囁く。
「へ?」
「間違いありませんわ。この旅行は全てハイアット夫人がその‥お二人の為に」
知らなかった。
でも、普通の新婚旅行よりも長いとは思ったけど高位貴族だからと思っていた。
「こう申するのもなんですが…商家でも珍しい事ではございません」
「新婚旅行でできてしまったパターンはありますので」
そんな背景があったのか!
だからお義母様はあんなにも乗り気だったのか。
「でっ…でもそんな都合よくは」
「勿論ですわ。ですが新婚旅行で二人の仲を深めた後にという事もあるのです」
「そっ…そう」
どうしよう。
旦那様にどうやって接するべきなのかしら?
でも貴族の結婚は利益の追求。
特に女性は結婚の次は世継ぎを生む事だ。
「奥様、何も心配ございませんわ」
「そうですわ」
「でも…」
ハイアット家は高位貴族だ。
もし私が子供を埋めなかったとしたらエレンディス様の立場はどうなるのか。
「もしなのだけど」
「はい?」
「私に子供が出来なかった場合は…やっぱり旦那様は愛人を持つわよね?」
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ロベスペール侯爵家だって妻以外に愛人がいたし。
「普通はありえるのですが、旦那様は騎士ですから愛人を持つ可能性は低いかと」
「そうなの?」
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エレンディス様が愛人を持つのは欲望の為ではないのに、嫌だと思ってしまう私は妻失格だわ。
「平気だと思ったのだけど」
そう、以前だったら割り切れた。
でも今は嫌だ。
どうしても許せないんだ。
ドンドン我儘になってしまう。
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