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121不器用すぎる友人~バルトside
しおりを挟む去って行く友を見て少しばかり罪悪感を感じた。
「バルト様、よろしいんですか」
「何がだ」
「先ほどの薬は…」
酒場の店主が困った表情をする。
あの薬は性欲抑止製剤ではない、媚薬に近しいものだ。
ただ、通常のものよりも効果は少ないが。
「アイツは我慢し過ぎだ。それに…」
ずっとあんな薬を飲み続けていたら本当に病気になる。
性欲抑制剤を使い続けて命を失った男もまれだがいるのだから。
「ずっと我慢し続けて、ようやく手に入れたんだ」
友人として応援してやりたい。
実らないと諦め祈るような恋をしていた不器用な友を。
「ですが、大丈夫なのですか」
「この程度で逃げるならそれまでだ」
だが、大丈夫だと思っている。
エレンディスが命懸けで惚れた女性がそんな弱いはずがない。
「もう少し温和な方法があったでしょうねに」
「まぁな」
だまし討ちのような真似をしてしまった事は悪いと思っているが、これぐらい強引に行かないとなるようにならないだろう。
「まぁ子供が出来た時は精一杯祝うとするよ」
「ははっ‥そうですね」
お節介かもしれないが、俺達は騎士だ。
常に死と隣り合わせの状況下で、その日、その日を大事にしなくてはならないのだから。
翌日。
「バルト!」
「よぉ、どうだ?」
「騙したな!」
言うまでもなくエレンディスは大激怒していた。
「私は!」
「だが顔色を見るあたり、かなりハッスルしたんだな」
「バルト!」
顔色も良く、艶もある。
あの薬だいぶ良かったみたいだな。
「何だ?奥方を抱き倒したのか」
「止めろ!生々しい発言は」
本当に純情だよな。
エレンディスの表情からして上手く言ったようだ。
「アリアは疲れて眠っている」
「ほぉー、中々体力あるな」
「感心するな!」
真っ赤になるのを見て昨夜はかなり興奮したんだな。
「良かったじゃないか」
「良くない!あの薬の所為で…アリアを」
「我慢し過ぎだと常に獣になるだろ。これからは薬を飲むな」
「だが…」
本当に面倒な男だな。
血筋と言えばそれまでだが、子供でも生まれれば落ち着くだろう。
「この程度逃げるような女性じゃないんだろ?」
「でも…泣かせた」
本当に戦場では若獅子と呼ばれる程なのに、恋愛に関しては本当にダメダメだな。
新婚生活が本気で心配になるな。
やはりアリア殿に一度会った方がいいか。
直接会った事はないがエレンディスが心底惚れこむ女性なら間違いはないはずだ。
うん…そうしよう。
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