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195吉報
しおりを挟むその後エセルバートは裁判で有罪となり再逮捕となった。
牢獄も王都内ではなく北の最果ての牢獄に移され、一年中雪が降る大地で罪を償う事になった。
刑罰を終えた後に贈られるのは南部の中でも最も熱く、野生の獣が生息する。
特に狼も群れが多く人を襲うと事も多いので生き残れるかも怪しい。
命懸けで生きなくてはならない。
牢獄にいる期間は食事の保証はあるけど命の保証がない。
何故なら牢獄の外は猛獣が襲って来るからだ。
畑仕事を刑罰として行う間に襲われるのだけど、死なない程度に助けてくれる。
死にたくても死なせてくれない地獄のサイクルのようだ。
法律に関しては今回の事で義父が強引な手を使ってくれた。
凌褥と言う罪を軽く考えすぎている現在の法律を見直すべきだと訴えてくれた。
実はその被害者のほとんどが貴族により握りつぶされ、法律が強い者の味方である不公平な世の中を変える為にこっそり動いてくださっていた。
バルト様も進言してくださったおかげであと数年すれば法律は見直されるだろう。
「直ぐにとは行かなくてもきっと…」
「ああ、きっと良い方向に向かう」
「何より安堵しているのはテレアさんです」
「ああ、私も驚いた」
自殺したテレアさんだけど、実は保護されていた。
「盲点でしたわ。まさかお祖母様が保護していたなんて」
「エレナの読みは正しかったな」
フリーシア領地の近辺だった。
丁度その頃お祖母様がテレアさんを見つけ保護した後に看護していたとか。
二週間意識はなく目を覚ました後も記憶喪失だった。
なのだけど、記憶を無くした彼女はビョンルンさんの事を断片的に覚えていた。
「本当に良かった」
「あの後のエレナはすごかったらしい」
「想像できるわ」
エセルバートの罪をより重くするためにも声を上げて欲しいと頼みこんだ事で他にも別件で被害に合った女性も署名運動をしてくれたのだ。
こんな事件がまた繰り返さないように役人にも訴えることができた。
殆ど強引な方法を使ったようだ。
法律に関して国王も口出しは難しかったがねじ伏せるだけの準備をバルト様はしてくださった。
余談だが…
「まさかバルト様が国を出る準備をしていたとは」
「私はエレナに手を出している事に驚きだ」
「あら?気づきませんでした?」
二人の関係は少し前から恋人以上に感じていた。
「爵位は伯爵位を賜る事になったようだ」
「バルト様ならそのまま出世して公爵の地位を賜りますわ」
祖国では優秀過ぎて困っていたのでご両親は両手挙げて賛成したとか。
ビョンルンさんはテレアさんの生存を聞いてすぐに挙式を上げて夫婦になった。
未だ問題は多いけど本当に良かった。
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