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第十学園祭の騒動
15.隠し扉
しおりを挟む本を手に取り抱きしめると、胸の痛みが強くなるようだった。
(どうしてこんなに胸が痛むの)
ドクン…ドクン。
胸の鼓動が激しくなり、とても苦しかった。
「エステル、どうした?」
「いいえ、ここから早く出ましょう」
考え振り切り、その場から出ようとした時だった。
「ピー!!」
「え?」
天井から声が聞こえ、二人は上を見上げる。
「ピー!!」
「「あっ…」」
糸にぶら下がりナポレオンが落ちて来る。
「わぁ!」
ナポレオンが落ちて来るので急いで手を差し出し受け止めようとするが、足を滑らせ本棚に前のめりに倒れそうになる。
「エステル!!」
咄嗟にクロードがエステルを抱きしめようとした時だった。
ガコン!
何かが動く音が聞こえ、本が自動的に動き隠し扉が出て来る。
「きゃああ!」
「わぁぁぁ!!」
隠し扉にぶつかり、二人は地下に落ちていく。
細い滑り台に落ちていく二人はあたりが真っ暗で何も見えなかった。
ただ解るのは落ちて行くだけだった。
「何で…どうなっているんです!」
「解らん!とにかく離れるなよ!」
旧校舎の中の作りがカラクリ仕掛けになっていたなんて思いもよらなかった。
長い滑り台が続き、ようやく出口が見える。
「「わぁ!」」
二人はそのまま滑り台から落とされる。
「いたた…」
「本当に、なんだってんだ」
落ちた先は地下の廊下のようだった。
持って来た蝋燭に灯りを着けると、石造りでとても古く感じる。
「いくらなんでもこんな古い遺跡みたいな作りの場所が学園の地下にあったのか?」
「クロード様、扉がありません」
「カラクリ仕掛けだからな。もう一度仕掛けを探すしかないな」
扉を振れて叩くが、全く動かない。
何処に行けばいいのか解らず困り果てるも立ち止まっていても仕方ない。
「ピー!」
「まったく、ナポレオンったら」
「エステル、そいつはお前のペットか?」
普通に犬や猫を抱くようにナポレオンを抱き上げるエステルに顔を引きつらせる。
「私のお友達です」
「お前は妙な人種と仲良くなるな」
「はい?」
奇妙なモノに好かれやすいエステルに今更何かを言うつもりはない。
(つーか魔物だろ?何で普通に抱き上げているんだ)
しかも会話まで成立しているのでその内、エステルが新しい世界に足を踏み出さないか心配になるクロードだった。
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