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137届かなかった手~サリアside①
愛していないわけではなかった。
私がお腹を痛めて生んだ娘を愛しいと思わないはずはない。
だけど、私は嫁として認めて貰えず。
ジャネットを出産してすぐに義母に奪われる形となった。
手を伸ばし、我が子を取り戻そうとしても私は元伯爵令嬢でしかなく。
当時は、カルディも手を尽くしてくれたけど仕事で邸を開けている中侍女も私も味方ではなかった。
義母の息のかかった侍女は私を攻撃し、理由をつけてはジャネットと距離を保たせた。
長女であるなら乳母に任せ、教育に関しても義母の言葉が絶対だった。
カルディもどうにか奪い返そうと努力してくれたけど、当時はカルディの立場も弱かった。
私は義母から大事な娘を奪われてしまい、タイミング悪くジャネットが聖女の力に目覚めてしまった事で、義母は増長した。
聖女候補に選ばれることは誉だった。
けれど、義母は権力に執着し、ジャネットを王妃にしてゆくゆくは国盗りを企てていた。
私は…
ジャネットにそんな欲にまみれた場所に行かせたくなかった。
高位貴族の令嬢に生まれた以上は、高位な貴族に嫁がなくてはならないと理解していても。
政略結婚でも情のある男性の元に嫁いで、幸福になって欲しい。
そう思っていたけど、義母は私の考えをすべて否定し、祖母の考えこそが正しいと思うになったジャネット。
それでも私は言葉を尽くしたつもりだった。
「ジャネット。今日はお勉強をお休みしましょう。顔色が悪いわ」
「いいえ、必要ありません」
「だけど、勉強ばかりでは…」
「怠けていてはお母様のようになります」
「ジャネット…」
私の事をよく思っていない義母があることない事を吹き込んでいるのは知っていた。
だけどここまで酷いとは思わなかった。
「私は聖女になるんです。だから必要ありません」
「聖女も人よ」
「お母様は何も知らないなら口を開かないでください。どうせ解らないのだから」
「ジャネット…」
その横顔は義母にそっくりだった。
嫁いできてすぐの頃の瞬間を思い出す。
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伯爵令嬢である私は高位貴族の常識に疎かった。
それでも必死に花嫁修業をして、女主人の役目を果たそうとしたけど。
『お前のような頭の悪い女は口を開かないでくださる?馬鹿が何をしても無駄よ』
『お義母様…』
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