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第一章廃嫡と婚約解消
21私の王子様~ステラside⑨
しおりを挟む卒業パーティーの日。
私は周りの様子がおかしい事に気づいた。
パーティー会場に向かう最中聞いてしまったの。
「兄上は何処まで堕ちれば気が済むんだ」
「いいのです。私と殿下はやはり心を通わせる事は出来なかったのです」
「そんなはずは…」
「あの方は公爵家の権威だけが欲しいだけ。王太子であるの為にも私を」
誰かの話声が聞こえ私は不躾だと思いながら息を潜めた。
扉が開いていたので中を見るとそこにはマリアンナ様とアルセウス様が抱き合う姿が見えた。
やはりお二人は――。
なのにマリアンナ様は。
「幼い頃から私の真心は届きませんでした。嫌がらせにマーガレットの花を渡してきました。薔薇ではなくあんな花を」
「ああ」
違う…違うわ!
マーガレットの花はフィルベルト様の愛情の証だった。
「そして今回も、私への当てつけに平民の少女を傍に置き侍らして…」
「大丈夫だ。君には僕がついている。それに君との婚約は破談になるだろう。婚約破棄なんてすれば待っているのは破滅だけだ。君がいなければ王太子どころか王宮に居場所がないんだ」
「アルセウス様…」
これを何も知らない人間が見れば愛し合う二人の絵は美しく見える。
でもこの時のマリアンナ様は笑みを浮かべていた。
始めて会った時からマリアンナ様が恐ろしいと思った。
伝えないと。
きっとこの二人はグルになってフィルベルト様を追い落とす気だ。
だけど、私にできる事はなかった。
「ステラ、卒業パーティーがもう始まるぞ」
「じいやさん!」
普段は作業服なのに今日は黒いスーツで決めているじいやさんが私を探しに来てくれた。
「大変なんです…」
私は部屋で見聞きしたことを話すも。
「ステラ、もう始まる」
「え?」
「君も急いで会場へ行きなさい」
もうパーティーが始まる。
止めたくても直接フィルベルト様の傍に行くことは叶わず。
会場に向かうとお膳立てされたかのように周りの生徒が集まっていた。
そして私は入ると同時に生徒全員が冷たい視線を送られた。
その先でアルセウス様がマリアンナ様に寄り添っている。
フィルベルト様を悪者にして悲劇のヒロインになる。
これまで媚びを売っていた人達のする事なんて解りやすい。
私は泣くのを我慢しながらもただ見守るしかない。
だけど――。
「マリアンナ嬢、今日を持って君と婚約解消をさせてほしい」
予想外の出来事が起きた。
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