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第二章北方四島の絆
17償いの方法
例えどんな結果になってもエグバートとナージャを責めるなんておかしい。
「二人の所為じゃない…叔父上」
「フィルベルト、これはお前を追放に追いやる手伝いをしたと言っても過言ではない」
「ですが!」
叔父上が国にいない間に起きた事件だからって。
「父上、親子の縁を切られる覚悟で参りました。ですが、私を!」
「私もです。家とは縁を切っていただきました」
「何をしているんだ二人共!」
勘当されて来ただと?
そんなことをしたら社交界の笑いものにされる。
二人は優秀なのに。
「お前の処分を決めるのは私ではない」
「叔父上」
「この邸の主はお前だ。決めなさい」
あれ程厳しい事を言いながらも決定権を俺に委ねてくれる叔父上は非常になりきれなかった。
「ならば、償いとして我が領地の為に尽くせ」
「フィルベルト様」
「誠でございますか」
ナージャは王侯貴族の中でも優れた医術や薬草の知識を持つ。
自身も優れた医師でもある。
「この領地には医療が遅れている。領民を救う為に女性医師となり彼等を救う為に務めよ。そなたの償いは一人でも多くの民を救う事だ」
「はい…」
「エグバート。お前はこの辺境地で学のない物に文字の読み書きを教えろ。未来の文官を育てる為に」
「はい」
二人の優秀さは父上もお墨付きだ。
文学、芸術、音楽も優れており、外交官としても優秀だった。
この二人が学のない民に多くを教える事で領地は発展する。
寺子屋のようなものを作りゆくゆくは小学校を作って子供達にも学ぶ場を与えてやりたい。
「精一杯務めろ。良いな」
「「はい!」」
こうして二人を迎える事になったのだが。
「甘い、甘すぎますぞ!」
「何ですこの甘さは」
「甘い」
お茶の時間、パンケーキを食べる三人が甘いを連呼した。
「そりゃ、メイプルシロップをたっぷり使い、アイスを三段なら甘いだろ」
「違いますぞ。甘すぎるのは貴方です」
「そうですぞ。甘すぎます!」
「しかし甘すぎるからこそ集まるのでしょうな…ハァー」
甘いか?
高位貴族の二人にとっては厳しい環境だぞ?
邸内に与えた部屋だって決して日当たりの良い場所じゃない。
手入れだって最低限しかできていないしベッドと暖炉とタンスがある程度だ。
「調度品まで用意するとは何事です」
「えっと、新作の試作品なんだけど」
大工ギルドの奥さんがデザインしたタンスだ。
王都のクローゼットは異なり箪笥でデザインも拘ったんだけど。
まずは試作品として使って貰おうと思ったんだけど。
「邸に住まわせる必要がありますか」
「だっていきなり来て住む場所もないし…領民に苛められたら」
「馬鹿ですか!」
だって心細いだろ?
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