悪役令嬢と弟が相思相愛だったのでお邪魔虫は退場します!どうか末永くお幸せに!

ユウ

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第二章北方四島の絆

23帝国の使者





冷凍弁当がようやく完成した。
俺の前世では寒い冬でもアツアツ弁当が重宝されていた。
特に東北では紐を引っ張るだけでアツアツ弁当が食べられる事で大人気だった。


電子レンジで温める事ができない場所で温かい弁当が食べられる。


生石灰を使った原理だ。
温かさを保つ保温できる器はその昔はとても費用が掛かる。


けれどこの領地では生石灰の原材料は溢れる程ある。
漁師の奥さん達にお願いして政策を頼み、試作品で前世で見たあのお弁当箱を制作した後に試食をしてもらった。


勿論大工ギルドの皆様に差し入れとしてだ。



「大好評でしたよ」

「本当か?」

「ええ、これまではパンとスープだけ…しかも冷めていて。具もないスープとパンでしたらから」


携帯食に持って行く食事は兵糧ぐらいだ。
忍者食かよと言いたくなる、あの丸い食べ物を見た時涙を流した。


寒い場所にパンを持って行けばカチコチ。
蒸すと言う考えはなく焼くんだけど、食べられたものではない。


そして別で持って行けたのが犬も食べないと言われたジャガイモだ。
寒い領地では主食がジャガイモだが明けても暮れてもジャガイモばかりで調理法も同じだ。


お湯でゆでて終わり。

俺の故郷でも昔の人は食べる物がジャガイモだけだったと聞くけど。


ジャガイモは最高の食材なんだけどな。


「先日試食したじゃがバターは好評でして。既に発注が間に合いません」

「そんなに?」

「ですがレシピの権利は守りましたぞ」


独占権利か。
商業ギルドなどでは独占権利を持っていれば、他所で売る時に販売利益のいくらかを貰う事になる。

勝手に売る事はできないのだ。


「レシピの権利は農家の皆さんの物なんだけどね」


「考えたのはフィルベルト様ですぞ」

「ジャガイモを作っているのは農家さんだけどね」


質の良いジャガイモは誰でも作れない。
彼だらかできたのだ。


けれど、これで少しでも彼等の暮らしが楽になれば万々歳だ。


「フィルベルト様!大変です!」

「ステラ、どうしたんだ」


「その…お客様がいらしているのですが」


慌てた表情でステラが俺達の元に駈け込んで来た。
珍しく傍で顔色が悪いマルシェにエヴァ。


もしや王宮からの使者か?
領地から追放の通達が来たとか?


「ご無沙汰しております」

「メルセウス伯爵!」


何でルーティン帝国の外交官が来ているんだ!

しかもジューリア陛下の直属の部下の彼が何でこんな僻地に。


「お久しゅうございますフィルベルト様」


変わらない素敵な紳士だ。
いや、それよりも何でこんな不便な土地に来たんだろう?







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