悪役令嬢と弟が相思相愛だったのでお邪魔虫は退場します!どうか末永くお幸せに!

ユウ

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第三章雇われ国王物語

26我が君~ナツメside②

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事あるごとに自分の素晴らしさを見せつけフレデリカ様を苦しめていたあの女に私は嫌悪感しかなかった。


彼女は公爵家に正式に養女に迎えられたのであれば差別はあれど、こんなやり方はありえない。
使用人にも優劣を見せつけていたが、生まれた時から英才教育を受けた者とそうでない者の差は歴然だ。


生まれ持った才能があっても。
私はフレデリカ様が血の滲むような努力をして来たのを知っている。



「本当に…」

「フレデリカ様に落ち度はありません。私の失態です」

「まぁ、そんな…」

「私がフレデリカ様をお慕いしてしまった。あの方は私を兄のように思ってくださっただけです。身の程を弁えないのは私…ですが」

「何ですの?」


どうせ二度とこの邸に出入りする事はないのだから。


「妹君をそこまで悪しざまに扱われるのはどうかと。まるで苛めですよ」

「なっ…」

「公爵様、ご無礼を承知です。ですが、フレデリカ様を虐げているという噂は邸内でも流れております。どうかご注意を」


「解った。マリアンナ」


「お父様」


何故自分が責めらえたか解らないようだな。
これで王太子妃となるとは笑い物だ。


だが、私は見限っていた。



この時の私は何も知らない馬鹿者だった。




「私は遠く離れていても、この国を思うよ」



優しいだけの人間は嫌いだ。
利用されても耐えて自己犠牲になる。


だけどあの方は覚悟を決めていた。




そして三か月後、私は王都を離れようとした時に辺境地に発信された映像を見た。


王都を追放になりながらも、辺境地であらゆる手を尽くし。
北方領土の貴族の信頼を勝ち取りながらも見返りを求めなかった。


私は自分の愚かさを知った。


この方ならばと思いながらもまだ確信が持てない。

だが決定打は。


大勢の中から真っ先に選んだのが、一番最初に落選するだろうと思われた平民のポッポだ。

料理修業をしていたポッポは菓子を作るのに命を懸けている男だった。
小太りで白豚と馬鹿にされていたが。


「待つていた。私は君のような人材を欲していたんだ」

「僕が…」

「そうだ。君程素晴らしい職人…いや芸術家はいない。料理人は芸術家でもある。食べる人を喜ばせ幸福にしてくれる。僕は君が欲しい」


周りのどんな優れた人間よりもポッポを選び周りは絶句した。
容姿も、経歴も身分もそっちのけでポッポを選んだ。

その後もフィルベルト様はポッポを重宝し、できる限りの便宜を図り。
ポッポには病気の母親と幼い弟がいる。

邸の近くで面倒を見れないかとポッポの心の負担を減らすなどして、手を尽くされた。
何所の世界に無位の平民にできるだろうか。


私はこの時この方の為に尽くそうと思った。


たった一人の我が君として。


そしてもう一人。
苦難の中でも奮闘している彼女をなんとか広い空に羽ばたかせてやりたいとも思った。


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