婚約者が隣国の王子殿下に夢中なので潔く身を引いたら病弱王女の婚約者に選ばれました。

ユウ

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3怒りの友人

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入れ違いにサンドラは町でとある方と一緒に町に出かけ買い物やお茶をしていたようだ。
その相手と言うのが隣国の皇太子殿下だったという。


「現在留学に来ているそうだ」

「そうか」

「そうかじゃないだろ!彼女は堂々と浮気をしているんだぞ。しかもお前とのデートをすっぽかしたんだぞ」

相手は隣国の皇太子殿下だ。
大事なお客様でもあるのだから率先して案内役を名乗り出たのだろう。


サンドラは幼少期からあの方に憧れていたからな。


「何を呑気に言ってんだこの馬鹿!」

「ディアッカ…」

「あの女、多忙なお前に高級レストランの予約を取らせておいて…お前はスケジュールを調整するのに大変だったって言うのに」

第三騎士団団長のディアッカは私の多忙さも理解している。
故に怒ったのだろう。


「ランチ美味しくなかったか?」

「美味かった…って違うぞ!」

完全予約のレストランだったのでサンドラの代わりにディアッカを誘った。
カップルだらけのレストランで男二人なので少々居心地は悪かったが美味しかったので良しとしたが。


「休日に男二人でランチをしたのか…」


「泣きたいのは俺だ、チャールズ」


確かに悲しいだろうが、私は美味しいランチを食べられて良かったけどな。

「そうだ。支配人がまた是非来て欲しいと…」

「違うだろうが!問題はお前の婚約者殿だ…隣国の皇太子殿下とデートしていたんだぞ?しかも愛の神殿や、女神の岬等、恋人のデートスポットに出かけて」

「普通、町を案内するなら美術館とか、図書館とかあるだろ」


ふむ、皇太子殿下は勤勉な方と聞いていたが。
そう言った場所に行きたかったのか。


「感心するな!」

「堂々と浮気をされていたんだ。今夜はちゃんと問い詰めろよ…舞踏会があるんだからな」


友人の怒りを宥めながら今夜は私達三人も王宮の舞踏会に参加する予定だった。


…とは言っても表向きは参加しながらも警備をするのだけどな。
主な警備は部下に任せる予定だったが。




そう二人で参加する予定だったが。


「殿下、紹介いたしますわ。今宵は殿下の護衛をする者です」

「えっ…」

「私の婚約者のシオン・アスハルトですわ」


護衛なんて聞いていいないんだがな。

「サンドラ嬢、貴方の婚約者に護衛をしていただくなんて…」

「お気になさらずに。騎士として当然ですわ。さぁ参りましょう。シオン、貴方は馬ですわよね?」


有無を言わさせない彼女にため息をつきながら。


「今宵は私が同行しますのでどうかご安心を」

「しかしだな…」

「さぁ参りましょう!」

困惑するラインハルト様とは反対に馬車の扉は乱暴に閉じられた。

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