婚約者が隣国の王子殿下に夢中なので潔く身を引いたら病弱王女の婚約者に選ばれました。

ユウ

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7侍女





リディア王女殿下は、社交界から軽んじられている事が解った。


「お体の弱さと貴族派の連中が心無い噂をしている所為だ」

「そうか」

王族の親族であるチャールズは多少は交流があるらしいが聞くに堪えないな。

「第二王位継承権をあるが周りから返上しろと責められている。社交界では出来損ないと言われる始末だ」

「王族に対して無礼で済まないだろう」


体の弱い貴族は過去にいるんだ。
第一、リディア王女殿下は国王陛下と王妃陛下の間に生まれた正当な王位継承権を持つ方だ。

第一王女殿下の次に身分が高いというのに許されない。


「それ以前に男として許せん。近衛騎士や女官は何をしている」

体が弱い王女殿下を精神的に守りするのが近衛騎士、女官の最優先するべき仕事だ。


「現代、味方になっているのは乳兄弟である侍女だけだ」

「国王陛下と王妃陛下は表立って庇えない」


国王陛下も王妃陛下も情のあるお方だ。
だが親である事と、君主としての立場を天秤にかける事は出来ない。



「そんな顔をするな」

「だが…」


王家に忠誠を誓う意味を理解をしているのか。



「団長失礼します」

「ケネシー?」


副団長のケネシーが執務室に入って来た。


「どうした?」

「お客様が…」

困惑したような表情をするケネシーに首をかしげるも。

「今日は来客の予定はなかったが…入っていただいてくれ」

「かしこまりました」


誰だろうかと思ったら。


「突然申し訳ございません」

「シュリエール子爵令嬢?」


「私をご存じで…」


シュリエール子爵家は数多の執事や侍女を輩出して来た家柄だ。
子爵夫人は元女官でもあり大変優秀だと聞いている。


「シュリエール子爵は優秀な文官ですから知らない人はいませんよ」


「ありがとうございます」


氷の一族と言われているが、真逆だな。
社交界では氷の文官とも言われるシュリエール子爵だが、民を思う気持ちは強い。


「貴女は父君によく似ておられる」

「私がですか?」

「はいお優しい雰囲気が…」


外観とは偽りだ。
外見で全てを判断する事は一番の愚かだ。


「優しい?私の父が?」

「ええ、民を一番に考える彼は誰よりも情に厚い」


私は彼とそこまで親しくないが、自分に厳しく部下に厳しい。
でもそれは冷たい人ではない。

愛情を持っているからだ。


「彼のような文官がもっと必要です」


「やはり、姫様の目は間違いありませんでしたわ」

「はい?」


何の事を言われているのか解らなかった。


「私はリディア王女殿下の傍付きの侍女でございます」

「え?」

「リディア様よりお手紙を預かってまいりました」


手紙には王家の家紋が刻まれていた。



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