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45正反対の二人~ニナside
しおりを挟む翌朝、対照的なお二人を見て困惑する私達。
「姫様、どうなさいました」
「何でもないわ」
とってもご機嫌な姫様に対して困った表情のシオン様。
察するに昨晩何かあったようですわね。
「シオン様、私の事好きだって言ってくださったの」
「まぁ…」
「ディアッカ様の言う通り迫って良かった」
バキッ!
「ニナ?」
「ひっ…姫様、何をなさったのでしょうか」
一線は超えていないと信じたい。
シオン様の態度からないとは思うけど。
「えっと、部屋に入ってシオン様にキスを強請ったの」
「ああ…」
なんて事を。
あの純情可憐な姫様は恐らくあのチャラ騎士に丸め込まれたのね!
「私は婚約者としての確かな物が欲しくて…その優しいだけじゃ物足りなくなって」
「はっ…はぁ」
これまで我慢ばかり強いられて来たからなのかもしれない。
実は言うと王宮内でも姫様の行動は制限され、迷惑をかけない事を前提とされ傍付きの侍女はあれはダメ、これはダメと言われて来たからだ。
けれど旅行に来てからはシオン様は姫様の望みを全て叶えて差し上げている。
シオン様からすれば自覚がないのだろうけど。
誰かと一緒に散歩をしたり釣りをしたり。
町にお忍びで遊びに行き、海で遊んだり人目を気にせずに楽しんだ事で自然と開放感的になったのかもしれない。
「私…シオン様に我儘を言っているのに。もっと欲しくなって。強欲すぎると思ったのだけど…あの方はその」
まさか一線を越えたなんて事は?
「一生懸命応えようとしてくださったのキス…しちゃった」
「姫様…」
天然記念物並みだわ。
私の心配は杞憂で二人はその夜抱き合いながら軽いキスをして一晩話をしたとか。
その後は手を握りながら眠ったとか。
若干シオン様が寝不足になっているのは…
お疲れ様です。
きっと一晩脳内でムンムンしていらしのですね。
「それにシオン様のファーストキスは私だって」
「なんと…」
婚約者がいながらキスもしていなかったなんて。
姫様が喜んでいられるのはこのためだったのね。
「となるとシオン様の初めの相手は姫様ですわ」
「え?」
「これはレアですわ。女性の初めてを捧げる事はあれど男性と言うのは稀なのです」
「そっ…そうなのね」
シオン様に失礼かもしれませんが、これは幸運ですわ。
我が国ではとある言い伝えがあります。
王族の女性は子が産みづらい体であるのは近親婚以外にも理由がある。
もう一つは男性側が他の女性と何度も行為をしている事もある。
だけど子宝に恵まれた王族の中で互いに清い体だった事で女神の祝福を受けた王族がいらした。
お二人は子宝に恵まれたと聞く。
ならばシオン様と姫様は理想的ではないかしら?
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