婚約者が隣国の王子殿下に夢中なので潔く身を引いたら病弱王女の婚約者に選ばれました。

ユウ

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133考えの末~リディアside

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シオン様の様子がおかしい。
立太子してから忙しいのは理解していたけど、時折王宮を出てチャールズ様と一緒に出掛けられたり、王家の諜報部隊を動かしている。


その一方でその中にディアッカ先生の姿は見られなかった。


「ニナ、最近のディアッカ先生はおかしいと思わない?」


部屋で一人考え込みながら私はニナに聞くも返事はない。


「ニナ?」

「はっ…申し訳ありません」

「どうしたの?」

どんな体調が悪くても仕事は完璧にこなすニナが珍しい。
相当具合が悪いのかしら?



「顔色が良くないわ」

「申し訳ありません、大丈夫ですので」

「本当に?」

「はい。すぐにお茶を」

おかしいわ。
ニナの態度がここ数日おかしいと感じた。


仕事の合間に空を見てボーっとしている事が多いと思ったら、苛立ちを感じているようだし。

私に言わないのは言えない理由があるから。
シオン様やチャールズ様に至っても同じことが言える。


私に言わないのは心配させまいとしている。

話して欲しいと本人には言えない。
もうシオン様にも立場があるから無理に聞き出すのは得策ではないし、先程のやり取りで解った。


きっと聞いても教えてくださらない。
これから先、秘密を抱える日々は続くだろう。

いかに夫婦であっても隠し事は増えて行く。
期限付きであろうとも王となれば、妻である私に家な事もあるだろうけど。


私を傷つけない為である事を解っている。


「自分で調べるしかないわね」


ただ今回はディアッカ先生に協力を望めない。
チャールズ様にも協力をしてもらえないでしょうからあの方に協力を頼むしかないわね。




「それで私の元に来たと」

「はい」


その日、一日中シオン様が視察に出ているので私は適当な理由をつけてラインハルト様の元に向かった。


「相変わらず行動的ですね」

「褒めていませんわね」

「半分は褒めてますよ」


あの一件から本当に自由になられたわねラインハルト様。
宣言通り婿養子になり、今は我が国の貴族として働いておられる。

お姉様の補佐官としても活躍しておられるのだけど。


新しい住まいで本当に自由に過ごされているのね。
見事に部屋には本ばかりで、元皇太子にしては質素なお部屋だった。


お邸も高位貴族の割には派手さがないのだけど本人が気に入って購入したと聞く。


いいえ、それよりも本題に入らなくては。

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