地獄の沙汰も慈愛次第!婚約者は姉を溺愛したので私は真実の愛を貫きます!

ユウ

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第2章小さな奇跡が生んだ真実の愛

47討伐依頼





冒険者はギルドに所属する以上義務が生じる。
魔物討伐依頼が出れば命令が下り、拒否権はない。

ただし近年、冒険者ギルドの質が落ちているのは国からしても問題になっている。
一番頭を抱えているのは闇ギルドに落ちることだ。


闇ギルドはギルドの資格を悪用し、やりたい放題をする。
そんな彼らから町を守るのもギルドの役目なのだが、ここ王立学園も冒険ギルドとして活動を義務付けられている。


魔力のあるもの、精霊を使役している者。
魔術科や騎士科に籍を置く者は討伐依頼を受ける義務が発生する。


そして現在、この時期にはまずありえない災害が起きた。

世間では竜害と呼ばれるものだ。
眠りについているはずの邪竜が目覚めてしまったことで翼竜ワイバーンの群れが暴れ出したのだ。


竜の目覚めは国の大災害となる。
現在Aランク以上の冒険者ギルドが派遣されているが全く手が足りない状況だった。



「ルーカスが討伐に!」

「はい」



学園の騎士もついに討伐命令が下った。
特別講師でしかないルーカスまで出向く理由はないはずだ。


なのに何故と訴えるも。


「すまないディアナ。あの女が」

「え?」

「あの馬鹿姉が、余計なことを言ったんだ!」


唇を噛みしめるセフィーナから告げられたのは、ルーカスが討伐に参加することになった経緯だった。



「ギルドの手が足りないなら平民の騎士を派遣させるべきだと…特別講師のルーカス先生も例外ではないと」

「そんな!」


領地内の騎士を派遣し、王立騎士団も並行して派遣するのが当然だ。
なのに、王立騎士団よりも先に護衛騎士のルーカスまでも参加するなんてありえないのだから。


「戦時中ならいざ知らず、護衛騎士のルーカスをだなんて」

「ギルドも人手が足りない。私達騎士科も後方支援をすることになるが…あの女が、我が家の騎士を是非などと!」


「ルーカスは既にシャンデラ伯爵家を辞めた身ですわ」

「だがその事実を知る者は多くないだろう?」


ディアナがシャンデラ家と縁を切ったことも知らない。
まだシャンデラ家の戸籍には入っているのだから、ファティマが勝手に言えば雇い主が同意したことになる。


「私もなんとかしようとしたが、学園の講師になるぐらいの実力者ならばと…一部の淑女科の生徒が」


「まるで悪意を感じますわ…」


(なんてことなの!)



どう考えてもファティマが悪意を持ってわざとけしかけたのは言うまでもない。
かといって、ディアナに覆す権利はない。



既にルーカスは参加すると決めているならどうにもならないのだから。


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