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序章
4.訳あり令嬢の事情
私には秘密がある。
秘密と言ってもそこまでたいしたことではない。
私が前世持ちだと言う事だ。
普通前世を持っていたら特別だと思われるが、すごく普通だった。
魔力も低く、容姿も平凡。
…というか中の下という微妙な容姿。
特に優れた能力もなかったのだけど、折角令嬢の転生したのだから第二の人生を楽しもうと思うも、私の第二の人生はハードモードだった。
生まれた先は公爵家。
王族の親族に当たり、しかも公爵家の中でも四大氏族と呼ばれる名家に生まれた。
私はそこそこ平凡に暮らしていきたいのだけど、環境がそれを許さなかった。
しかも大貴族なら強い魔力を持っているはずが、緑の魔力という底辺な魔力だったので周りの落胆は大きかったけど。
けれど、周りが落胆しているだけであって家族から冷遇されていることはない。
まぁ、お母様は頭を抱えていたけど。
私の将来を考えての事だろう。
公爵家の長女が魔力もほとんどなければ周りから軽んじられるし。
お母様は私の事を心配してくれるのは解る。
その一方で次女のマリアンヌは月とスッポンぐらに差があった。
美しい容姿に強い魔力、他者を惹きつける能力もすごかった。
そのおかげで公爵家は周りから馬鹿にされずに済んだが、私という存在は公爵家にとってお荷物でしかなかった。
養子に出す話も持ち上がるもお母様が断固として猛反対した。
お父様も反対したのだが、お母様の反対はそれはもうすごかったとか。
高位貴族ではなくとも、名家に正妻として嫁いで欲しいというのがお母様の願いだった。
貴族同士の婚姻だから利益の追求を最優先するのだけど。
私の場合はお飾りになるか、隣国との同盟の証として嫁がされるか、はたまた高齢の貴族の後妻に入るかだろう。
選択権が与えられるなら私は後妻を望む。
なんせ前世の職業はヘルパーだったので、特に嫌悪感はない。
というか、前世でも年配のおじいちゃまの方が男気のある人が多い。
現在もそうだ。
社交界で居場所のない私に親切にしてくださった素敵な紳士様は皆、高齢だった。
何より同年代の子供じゃ話が合わない!
私は編み物したり、刺繍したり。
お茶を楽しみ、美術品を眺めてゆっくりする時間が好きだ。
華やかな舞踏会はあまり好きじゃないし。
ビラビラのドレスを着るぐらいなら前世でも大好きだった乗馬を楽しむ方が有意義だ。
特に好きなのが演劇を見る事だ。
だからマリアンヌが私を見下し、馬鹿にしても平気だ。
長女の私の代わりに公爵令嬢としての役目を果たしてくれているのだから感謝している。
周りがなんて言おうとも、今の環境に不満はないのだから。
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