冷遇ですか?違います、厚遇すぎる程に義妹と婚約者に溺愛されてます!

ユウ

文字の大きさ
73 / 311
第二章

20.正反対の悪役令嬢




エカテリーナ様は社交界でも有名な令嬢だった。
王族の従妹に当たり、教養も高く、魔力も強いことながら非の打ち所がない。


常に周りに友人に囲まれ、友達も少ない私とは月とスッポン。


社交界では太陽と月の令嬢と呼ばれる程だ。
太陽のように光り輝き誰からも慕われるのがエカテリーナ様で、陰に隠れ、頼りない月のような陰気な令嬢と呼ばれていた。


ゲーム上では今ほど酷くないけど、優劣の差はあって、エカテリーナは本物令嬢だった。

王子妃に相応しく、ヒロインにも堂々とした振る舞いをして。
苛めをする生徒にも注意をして、教師からの信頼も厚く、常に自信に満ち溢れていた。


でもその一方で、常に気を張っているようにも見えた。


私は、エカテリーナ様を嫌ってない。
むしろ尊敬をしているし、素晴らしい人だと思っていた。


あの人は自分にも他人に厳しいけど、同時に誰よりも高位貴族令嬢の手本になるべく務めていた。


あれは私が八歳の頃だ。
社交界のパーティーで何時ものように壁の花になっていた頃だ。


周りはマリアンヌと私を比べて陰口を言っていた。


「何故貴女のような方が、今夜のパーティーに」

「いくら公爵家の娘でも、本当に恥知らずね」


五歳で洗礼を受け、緑属性という魔力しかなく。
四大精霊の加護もなければ、必要のない属性を持った私を蔑み、公爵家の恥さらしだと馬鹿にする高位令嬢達に、責められていた。


「これでは我が国の公爵家に泥を塗るような物…」

一人の令嬢が私に扇を付きつけようとした時だった。

「泥を塗るとはどういうことですの?」


「「「エカテリーナ様!」」」

幼くも凛とした声だった。


「随分な言いぐさですわね?我が国の公爵家はたった一人の令嬢で左右されると…王族筆頭公爵家である我が一族を侮辱する事は許されませんわよ」


「いいえ…そのような!」

「私達は、王族派として…」

「ならば、そのような行動はお控えなさい。王族派貴族である誇りのない行動を慎むべきです。いいですわね?」

「はっ…はい」


人睨みするだけで、令嬢達を怯ませるだけの貫禄を既に持っていた。
令嬢は怯えながらすぐにその場を離れるも。


「彼女達の言葉には一理ありますわよ」

「はい?」

「貴女はあまりにも足りなさ過ぎますわ。戦う覚悟のない者は宮廷で生きて行けませんわ。温室の花が外で生きることができないのと同じ…毒花の前では貴女は弱すぎる。良くお考えなさい」


私にも厳しい言葉を投げかけ去って行った。


その言葉は私を責めるだけの言葉ではなかったと思った。


それからも時折視線が合うことはあった。
私から声をかける事は許されないけど、あの方は私に注意等はしても貶すような真似はしなかった。


強く、美しいあの方を私は憧れの目で見ていた。


決して敵対心を持っているわけじゃない。


感想 683

あなたにおすすめの小説

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

「通訳など辞書で足りる」と追放された令嬢——三国会談で、婚約者は一言も話せなくなった

歩人
ファンタジー
宮廷通訳官エレノーラは五つの言語を操り、婚約者クラウスの外交を陰で支えてきた。 だがクラウスは言った。「通訳など辞書で足りる。お前は要らない」 追放されたエレノーラは隣国で新たな道を歩み始める。 一方、クラウスは三国会談の場で辞書片手に立ち往生。 誤訳が外交問題に発展し、窮地に陥ったその場に、隣国の通訳官として現れたのは——。 「その言葉は、もう翻訳できません」

王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!

gacchi(がっち)
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ? 王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。 国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから! 12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。

いいえ、望んでいません

わらびもち
恋愛
「お前を愛することはない!」 結婚初日、お決まりの台詞を吐かれ、別邸へと押し込まれた新妻ジュリエッタ。 だが彼女はそんな扱いに傷つくこともない。 なぜなら彼女は―――

わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。

織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。 父であるアーヴェント大公に疎まれている―― 噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。

結婚初夜、「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と夫に言われました

ましゅぺちーの
恋愛
侯爵令嬢のアリサは婚約者だった王太子テオドールと結婚した。 ちょうどその半年前、アリサの腹違いの妹のシアは不慮の事故で帰らぬ人となっていた。 王太子が婚約者の妹のシアを愛していたのは周知の事実だった。 そんな彼は、結婚初夜、アリサに冷たく言い放った。 「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と。

リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?

あくの
ファンタジー
 15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。 加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。 また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。 長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。 リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!

「離縁状の印が乾く前に、王太子殿下から花束が届きました」〜五年間「置物」と呼ばれた侯爵夫人、夫が青ざめるのは王家との縁が切れてからでした〜

まさき
恋愛
侯爵夫人として過ごした五年間、夫に名前を呼ばれたことが一度もなかった。 愛人を夜会に連れてきた翌朝、私は離縁状を置いて屋敷を出た。 夫は「すぐ戻る」と思っていたらしい。 でも届いたのは、王太子殿下からの白薔薇だった。 「五年、待ちすぎました。今度こそ私の隣に」 幼馴染の殿下は、いつも私を「アメリア」と呼んでくれた。 ただそれだけで、五年分の何かが、ほどけていった。 夫が全てを失うのはこれからの話。 私が本当の笑顔を取り戻すのも、これからの話。