75 / 311
第二章
22.視線の違い
私の悪口を言っていた令嬢は彼等の登場により、舌打ちをしていた。
ここで私を批難すれば、立場が悪くなるのは明白だからだ。
「しかし、ロニー。流石だね?学年で二位を取るなんて」
「勉学だけですよ」
「そんなことはありません。殿下の努力の賜物です」
「ははっ…ありがとう」
傍からスコットが賛美をする。
相変わらずだと呆れながらも何時の間にか生徒会役員が集まっている所為で悪目立ちをしていた。
「しかし、ロニーを抜いて一位とはすごいな」
「サーシャ、君は過去の代表生徒の中でもダントツだな」
「そっ…そんな、私なんて」
やっぱりヒロイン。
いや、サーシャの魅力なのかもしれない。
控えめで謙遜するサーシャだが、暗いわけでもない。
むしろ明るく優しく聡明で愛らしく真面目とくれば非の打ち所がない。
生徒会の人間は既にサーシャにメロメロか。
ふと、ロミオ様の視線を見ると…。
愛しい物を愛でる目をしている!
これは既にサーシャに惚れているのね?
そうなのね!
ライバルがここまで多いから大変かもしれないけど、私はロミオ様を応援するわ。
他の方達には悪いけど、円満に行くには障害が少ないロミオ様と結ばれた方がい良い気がする。
ロナウド様には本家悪役令嬢がいるし。
それに、ゲーム上ではハッピーエンドでも、現実世界は厳しい。
サーシャは平民故に、向かう先は茨の道だ。
ゲーム上ではエカテリーナ様が後見人になるけど、貴族派に付け入れる隙を与えてしまうし、派閥的問題もある。
でも、伯爵家ならどうだろうか。
高位貴族ではないし、父君は宰相殿でもある。
他国にも顔が効くし、王子妃よりも自由なのだから風当たりも幾分かマシなはずだ。
サブリナ様もお優しく、身分で差別するような方ではない。
私も友人として手助けできる。
何より王族派筆頭の令嬢から婚約者を奪ったという噂は恐ろしいのだ。
うん、やっぱり王子妃よりも。
伯爵家の嫁よね!
「エリーゼ、何をブツブツ言っているんだ?」
「お義姉様?」
「聞いてませんわね。それにしてもロミオ様はエリーゼ様を見つめ過ぎですわ」
「そうか?」
私が一人計画を立てている間にこんな会話がされていたなんて私が知る由もなかった。
そしてこの時、ロミオ様が愛でる様に見つめていたのはサーシャではないことすら気づいていなかった私だった。
あなたにおすすめの小説
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
「通訳など辞書で足りる」と追放された令嬢——三国会談で、婚約者は一言も話せなくなった
歩人
ファンタジー
宮廷通訳官エレノーラは五つの言語を操り、婚約者クラウスの外交を陰で支えてきた。
だがクラウスは言った。「通訳など辞書で足りる。お前は要らない」
追放されたエレノーラは隣国で新たな道を歩み始める。
一方、クラウスは三国会談の場で辞書片手に立ち往生。
誤訳が外交問題に発展し、窮地に陥ったその場に、隣国の通訳官として現れたのは——。
「その言葉は、もう翻訳できません」
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi(がっち)
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
いいえ、望んでいません
わらびもち
恋愛
「お前を愛することはない!」
結婚初日、お決まりの台詞を吐かれ、別邸へと押し込まれた新妻ジュリエッタ。
だが彼女はそんな扱いに傷つくこともない。
なぜなら彼女は―――
わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。
織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。
父であるアーヴェント大公に疎まれている――
噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。
結婚初夜、「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と夫に言われました
ましゅぺちーの
恋愛
侯爵令嬢のアリサは婚約者だった王太子テオドールと結婚した。
ちょうどその半年前、アリサの腹違いの妹のシアは不慮の事故で帰らぬ人となっていた。
王太子が婚約者の妹のシアを愛していたのは周知の事実だった。
そんな彼は、結婚初夜、アリサに冷たく言い放った。
「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と。
リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?
あくの
ファンタジー
15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。
加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。
また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。
長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。
リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!
「離縁状の印が乾く前に、王太子殿下から花束が届きました」〜五年間「置物」と呼ばれた侯爵夫人、夫が青ざめるのは王家との縁が切れてからでした〜
まさき
恋愛
侯爵夫人として過ごした五年間、夫に名前を呼ばれたことが一度もなかった。
愛人を夜会に連れてきた翌朝、私は離縁状を置いて屋敷を出た。
夫は「すぐ戻る」と思っていたらしい。
でも届いたのは、王太子殿下からの白薔薇だった。
「五年、待ちすぎました。今度こそ私の隣に」
幼馴染の殿下は、いつも私を「アメリア」と呼んでくれた。
ただそれだけで、五年分の何かが、ほどけていった。
夫が全てを失うのはこれからの話。
私が本当の笑顔を取り戻すのも、これからの話。