冷遇ですか?違います、厚遇すぎる程に義妹と婚約者に溺愛されてます!

ユウ

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間章

1.帰省


三か月ぶりの実家に帰って来た。
短いようで長く感じ、少しだけ不思議な気分だった。


「いやぁ、久しぶりね」

「お嬢様、三か月しか過ぎておりませんわ」

「そうなんだけど」

馬車の中で見慣れた景色を見ながら懐かしむのだけど。


「まったく馬車の中ではしゃがないでください恥ずかしい」

「街並みが美しいですわね!」

「あっ…あの」


現在馬車の中にはラン、スコット、私にサーシャ、ジュリア様が乗っている。



「何でこうなるんだ」

「ブー!じゃんけんで負けました」

「ブハッ、本当に面白組み合わせだな」

「まったくだ」


そして後ろにはロミオ様、シルビアにロベルト様とスザンヌ様が乗っている。


現在私達はトリアノン家に向かっているのだ。


ちなみに御者は――。


「うむ、実に良い天気だな。気持ちがいいぞ」


何故か私が乗る馬車はリオネル様が御者の役目をしていた。


本来ならば辺境伯爵子息にこんな真似をさせるのはアウトだ。

けれど本人が――。


「私は公爵家の名馬を引いてみたかったんだ!」


等と言われてしまったのだ。


「奥様が見たらなんて言うか」

「驚くわね!私にこんなに沢山お友達ができたんだから」

「いいえ、そうではなくですね」


学園に入るまではぼっちだったから驚くわね。



「到着したぞ!」


馬車が止まり私達は馬車から降りるも。


「ありがとうございますリオネル様」

「怪我をしたら大変だからな!」


私の手を引きエスコートしてくれるリオネル様は太陽のような笑顔だった。


「さぁジュリア!」

「ありがとうございます」


婚約者よりも先にエスコートされて申し訳ないと思うも二人は気にしていなかった。


なんて心の広い人達なの!


「リオネル様、手袋を取ってください!汚れてますわ」

「何…」

「ああ、エリーゼ様の手が汚れているではありませんか…本来ならアウトですが、エリーゼ様は気づかない振りをしてくださってますわよ」

「うむ…後で謝ろう」


このような会話をされていたなんて知らずに私は邸に入る。


「お母様!ただいま…」


バァン!

「へ?」


私が扉を開き中に入ろうとしたら。


「お帰りなさいエリーゼ。それから皆様、この度はようこそおこしくださいました。母のジリアンでございます」

あれ?
何でお母様の顔が怖いの?


「滞在される間はどうか、我が家と思い寛いでくださいな」

「おっ…お母様」

「ラン、お客様を案内してくれる?私はエリーゼとお話があるから」

「はっ…はい!」


え?

お話?


「エリーゼ、お母様とお話をしましょう。久しぶりに…」

「あっ…あの」


「フフッ、スプライト辺境伯爵のご子息に馬を引かせるとはどういうことなのかしらね?」

「お母様…」


「さぁ、行きますよ」

「いやぁぁぁあ!」


私の抵抗など意味はなく、私はお母様に例のお説教部屋に連れていかれた。


そして――


「エリーゼぇぇぇぇ!」

「わぁぁぁん!ごめんなさぁぁぁい!」



帰省して早々お母様に怒られ正座をさせられるのだった。


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