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第三章
14.ツンデレ令嬢
成り行きでエカテリーナの様の部屋にお邪魔することになった。
始めてみるけど。
「人の部屋を物色しないでくさだる?」
「エカテリーナ様。これはカリスですか…しかも一番古い古代の物。となりはカリヨンですか」
部屋に飾られている絵画に釘付けだった。
聖書でも出てくるけど、古代の物を描いたものだ。
「隣の絵は戦女神と勝利の女神…その中央は豊穣の女神。これは盃の宴ですか」
「貴女…知ってますの?女神の盃を」
「勿論です。黄金、銀、の時代に盃が交わされた絵。すごく感動しませんでしたか」
「当たり前よ。盃の儀式は感動せずにいられなかったわ」
神様同士の誓いの宴。
聖書には大まかに書かれているがわずかだけど古語で書かれた過去の出来事を記している本がある。
「私は黄金の盃が好きでした」
「私は白銀のは盃よ。あれを無くして人間の善悪は語れなくてよ」
読書が好きなジュリア様でもジャンルが違うので、楽しみを語り合うことはできなかった。
「私、学園でも聖書や宗教を学ぶ場があったらいいのに。芸術にも精通していたらもっと理解を深めれるのに」
「そんな高等な教養を持っているなんて…」
「でも、可能になったら素敵ですよね」
以前から思っていた。
教養の一つとして、宗教を学べたらと思う。
慈善活動も貴族の勤めとして学校側からも指導して欲しい。
「貴女は、どうしてもう少し器用に立ち回れませんの?」
「はい?」
「自分の出世に無頓着で、そんなだからあのお馬鹿さんにも手柄を横取りされ馬鹿にされるんですのよ!」
最初こそは和気あいあいと話していたのに。
「いや、私は別に」
「貴女がそんなでは公爵家は笑い物ですわ!妹が姉を敬えず見下すなんて、外聞にも悪いんですのよ!貴方一人ではなくご両親も侮辱を受けるんですのよ」
「あっ…」
「どうして貴女は何時も何時も、優れた才能を持っていながら他人の為に惜しみなく使い、自分の為には使わない。武器になるだけの物を持っていても使い方を間違えれば意味がありませんわ」
ずっと嫌われていると思った。
でも、もしかしたら違うんじゃ。
「何ですの?気色悪い目で見つめないでくださいまし」
「エカテリーナ様、良い人ですね」
「は?」
「私達良いお友達になれるんじゃないですか?」
以前からエカテリーナ様に尊敬の念を抱いていた。
今の話を聞いてもっと好きになれる気がした。
「エカテリーナ様、これから親しくなりましょう。私は貴女と親しくなりたいです」
「ちょっと!何でそうなりますの…冗談ではありませんわ」
「つれないですね」
「貴女はマゾですの?散々私に罵倒されておいて」
「もっとお願いします」
「気持ち悪いですわ!」
私はこの方ときっと仲良しになれる気がした。
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