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第四章
4.ピンチをチャンスに~ロミオside
エリーゼの挨拶が始まり、自分の事のように緊張したが。
「頑張ってエリーゼ」
「頑張るんだ」
「お嬢様、しっかり!」
何故か関係者の席に両親とセバスチャンがこっそり映像を取っていた。
いや、ちらほらと学園の事務員や、司書の姿を装いながらも何故かうちの使用人が忍び込んでいた。
「何を…」
「ロミオ、エリーゼの初のスピーチよ?私達が来ないわけないでしょう?」
「母上…」
言うんじゃなかった。
こうなるとは思わなかった俺が甘かったか。
「ああ、緊張しているわ」
「大丈夫だエリーゼ。簡単に挨拶さえすれば」
いや、それはどうかと思いますよ父上。
セバスチャンは魔道具の水晶玉を握りしめるあまり皹が入っている。
実のご両親はいらしてないというのに…。
「ああ、なんて事なの。もし問題を起こしたら」
「落ち着くんだジリアン」
いたのか!
去年は入学式には参加していなかったのに今年は参加している理由はなんとなく解った。
彼女がいるからだ。
「何か落ちて来たぞ」
「白い紙だな…まさぁスピーチの内容が書いてあるとか?まさかな」
そのまさかだ!
エリーゼがキョロキョロと見渡しながら探し物をしている。
「ここで風の魔法を使うのは不自然だ…どうしたら」
「相変わらず過保護だな。大丈夫だろう」
「そうだ、何か面白い余興をしてくれるだろう」
この二人は、面白がって!
ここで新入生から評価が悪くなれば再び入学前と逆戻り所か悪化する。
どうしたらいんだ…。
そう思っていたが、エリーゼは開き直りスピーチを始めた。
「ブハッ!」
「流石だ、やってくれたな」
入学おめでとうから始まり何故か学園生活の試練を事細かに話し始め教師陣や実行委員に放送部達は真っ青になる。
希望に満ち溢れている生徒に絶望を与えているのだから。
しかし次の瞬間、会場の空気が一変した。
厳しさを伝えながらも厳しさの末に待っている事を話し、新入生の中でも代表生徒になる数名に視線を送り彼女達に言葉を投げかけたのだ。
「エリーゼは、彼女達を知っているのか?」
「辺境地からだと何故解ったんだ?」
「そう言えば、去年に推薦された生徒の名簿を見せて欲しいと言っていた気が」
もしや、新入生の顔をほとんど覚えているのか?
「新入生達の顔つきが変わったな」
「地獄に叩き落した瞬間持ち上げる。絶妙な匙加減だな」
「甘い事だけ言うのではなく現実を突きつけるとは流石が俺が見込んだエリーゼだ」
最後のロベルトの言葉は聞かなかった事にしよう。
「エリーゼ、素敵よ」
「流石だ」
「お嬢様!」
そしてそこの三人、静かにしてくれ。
バレたら後で怒られるのは俺なんだからな。
「ああ、エリーゼったら」
「ジリアン、落ち着くんだ。ちゃんとスピーチを終わらせたんだ。丸く収まったじゃないか」
「旦那様…」
後でお説教を受けるだろうが、とりあえず綺麗に纏まったんだから問題ない。
そう思った矢先。
「意義あり」
この空気をぶち壊す声が聞こえた。
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