冷遇ですか?違います、厚遇すぎる程に義妹と婚約者に溺愛されてます!

ユウ

文字の大きさ
165 / 311
第四章

13.止む無く~ジリアンside






入学式に参加して、私はますますあの子を入学させたことを後悔した。


「ジリアン、これ以上ストレスを溜めるのは体に毒だ」


「ですが、旦那様。あの子を入学させる以外の方法がなかったのか」

「他国の魔法学園からも断られた以上は無理だろう。魔法がない国ではマリアンヌの魔力は危険だしね。国の法律だ…平民ならまだしも」


国王陛下の心遣いもあり、マリアンヌを学園に入れる許可を頂いたが、正直私からすれば更なる悩みが増えただけだった。


とは言え陛下の命令に背くわけにもいかない。
挙句の果てに謹慎処分を言い渡したイズラを使用人として同行させよと言って来たのが厄介な人物であった。


ランはエリーゼが気に入り、旦那様が清の国から直々に頼んで我が公爵家に迎え入れた侍女。
元は下級貴族でもあったから国を挟んで許可を貰った。

信頼のおける上司に、両親も貧しいながらも良き人柄だと聞かされている。
実際、侍女として雇う一か月前に私は国へ出向き挨拶に行きご両親の人となりを知ったうえで娘の傍付き侍女を任せたぐらいに素晴らしい方達だった。


対するマリアンヌの侍女は、王家の推薦により派遣されたのだ。
何処のお邸も、高位貴族の侍女となる者は王宮勤めをした者が推薦状を貰える。

そして各邸に採用される。
我が家の場合もそうなのだけど、イズラを是非にと言った者は貴族派の貴族だった。

無下に断るわけも行かないし、優秀だとは聞かされていたが。


イズラは自尊心が強く貴族絶対主義の考えを持ち、辺境貴族を軽視する考えが強かった。


それを抜いても優秀であるが、私が見ていない間にエリーゼを虐げていたなんて知らなかったし、私の態度の所為でエリーゼは私から疎まれていると勘違いして彼女を増長させてしまった。


謹慎処分をした後に降格しようと思ったのだが、彼女を推薦したサンビエール伯爵家だった。


無視できない派閥で、彼等がイズラは十分反省していると告げ、マリアンヌの思う余り行き過ぎたのだと言われてしまったのだが…。


ここで彼女を解雇すれば後々厄介だったのだが、学園に同行するのは賛同できなかったのだが。

乳母のばあやが間に入ってくれたけど。



「イズラに関しても、今回の事は多めに見るように言われただろう」

「危害を加えたわけじゃないから、処罰を与えるのにも限度がありますわ。だけど…マリアンヌの様子を見るとどうにも」


「まさか、あの場であのような事を言うなんてな」


エリーゼのスピーチを邪魔すかのような言い方。
否定的な事ばかりを言い放ちながらエリーゼを追い落とそうとしているように見えた。


「エリーゼは賛否両論であることは解っているようだ。あげくにマリアンヌの言葉も正論だと思い、真摯に受け止め誠実な答えを出した」

「ええ、だけどマリアンヌは」

エリーゼとは反対にマリアンヌはエリーゼの否定するだけ。
ただ気に入らないからあの場を借りてエリーゼの評価を下げようとしているように見えたわ。


これ以上失望させないで欲しいのに、知ろうとすればするほどマリアンヌの歪んだ性格が見えてしまうようだった。

感想 683

あなたにおすすめの小説

「通訳など辞書で足りる」と追放された令嬢——三国会談で、婚約者は一言も話せなくなった

歩人
ファンタジー
宮廷通訳官エレノーラは五つの言語を操り、婚約者クラウスの外交を陰で支えてきた。 だがクラウスは言った。「通訳など辞書で足りる。お前は要らない」 追放されたエレノーラは隣国で新たな道を歩み始める。 一方、クラウスは三国会談の場で辞書片手に立ち往生。 誤訳が外交問題に発展し、窮地に陥ったその場に、隣国の通訳官として現れたのは——。 「その言葉は、もう翻訳できません」

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。

織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。 父であるアーヴェント大公に疎まれている―― 噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。

王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!

gacchi(がっち)
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ? 王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。 国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから! 12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。

いいえ、望んでいません

わらびもち
恋愛
「お前を愛することはない!」 結婚初日、お決まりの台詞を吐かれ、別邸へと押し込まれた新妻ジュリエッタ。 だが彼女はそんな扱いに傷つくこともない。 なぜなら彼女は―――

最愛の番に殺された獣王妃

望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。 彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。 手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。 聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。 哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて―― 突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……? 「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」 謎の人物の言葉に、私が選択したのは――

結婚初夜、「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と夫に言われました

ましゅぺちーの
恋愛
侯爵令嬢のアリサは婚約者だった王太子テオドールと結婚した。 ちょうどその半年前、アリサの腹違いの妹のシアは不慮の事故で帰らぬ人となっていた。 王太子が婚約者の妹のシアを愛していたのは周知の事実だった。 そんな彼は、結婚初夜、アリサに冷たく言い放った。 「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と。

「離縁状の印が乾く前に、王太子殿下から花束が届きました」〜五年間「置物」と呼ばれた侯爵夫人、夫が青ざめるのは王家との縁が切れてからでした〜

まさき
恋愛
侯爵夫人として過ごした五年間、夫に名前を呼ばれたことが一度もなかった。 愛人を夜会に連れてきた翌朝、私は離縁状を置いて屋敷を出た。 夫は「すぐ戻る」と思っていたらしい。 でも届いたのは、王太子殿下からの白薔薇だった。 「五年、待ちすぎました。今度こそ私の隣に」 幼馴染の殿下は、いつも私を「アメリア」と呼んでくれた。 ただそれだけで、五年分の何かが、ほどけていった。 夫が全てを失うのはこれからの話。 私が本当の笑顔を取り戻すのも、これからの話。