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第四章
16.一時休戦~エカテリーナside
どうしてこうも彼女はお馬鹿なのでしょう。
人間生まれつきのお馬鹿と大人になってからもお馬鹿がいますが、彼女は前者でしょうね。
「どうしたものか」
「とにかく、不安要素を片付けるのが先ですわ」
「あの馬鹿妹をでね!」
普段は仲良くする行為はまずない私達でありますが、皮肉な事に彼女が原因で手を組むことになるとは。
「僕は貴族は嫌いですが、ああいう人間は貴族、平民関係なく大嫌いです」
「私も害虫は嫌いですの。しかも周りに毒を撒き散らすだけの害虫は」
サーシャさんにエリーゼさんをお願いしましたのでしばらくは大丈夫でしょう。
「しかし、いいのか?」
「何がです?」
「君はエリーゼを良く思ってなかったはずだ。マリアンヌと一緒に共倒れになってくれた方が願ったり叶ったりじゃないか?」
「兄上!」
随分と見くびられたものですわ。
私をそんな器のない女と思っていたとは。
「今回の計画は私の父からの強く言われておりますの。あのお馬鹿とエリーゼさんを引き離せと」
「ほぉ?」
「ロベルト様もご存じなのでは?エリーゼ様の有能さは既に無視できない状況にあります。国王陛下があのお馬鹿を学園に入れた時点で解りきっています」
本来なら魔力があろうとも使用人付きで入学は認めなかったでしょう。
聞けばイズラという侍女は以前に公爵家で問題を起こしたと私も耳にも入っていますが貴族派を刺激しないために厳しい処分は出来ませんでした。
ですが学園で問題を起こせば逃れることはできませんわ。
「学園に入れた時点で、既に逃げ場を塞いだも同然。二年前の事件…あれは事故ではありませんもの」
「やはり、あのお馬鹿が関わっていたのですね」
「…というか主犯ですわ」
「「「なっ!」」」
流石に驚きましたわね?
まぁ、関わっていても主犯だとは思わないのが普通です。
そんなことをすれば自分の首を絞める行為ですもの。
「どうしてあんな馬鹿な真似をしたのでしょうね?第一王子殿下の馬に細工など…重罪ですわ」
「本当にありえませんよ!不敬罪だけでなく王族暗殺未遂にもなるのですよ!」
「バレるとは考えなかったのでしょうか…なんて浅はかな」
「ハハッ!馬鹿すぎるな!俺が言えた義理じゃないが」
朗らかに言う事ではありませんわ。リオネル様!
仮にも騎士であると言うに。
「それで?刑罰は火炙りか、ギロチン、電気椅子のどれがいいんだ?」
「リオネル様…」
「騎士としては王族に手を上げて以上は死んでも償いきれないだろう?しかも出来心で姉を殺し掛けた?ふざけるな」
普段は何をしても、やっても怒らない彼ですが、騎士としての誇りを持っていますので当然です。
しかし、この切り替えには流石にドン引きしてしまいますわ。
「まずは髪を掴んで引きずるか」
「お止めください。素手で触るなんて汚いではありませんか」
ジュリア様も相当ですわね。
でも、確認するまでもありませんでしたわ。
「皆様も、あのお馬鹿さんを追放すると言う事でよろしくて?」
「「「よろしいです!」」」
根っからのフェミニストであるスコットさんとリオネル様に関しては心配していましたが、ノリノリで助かりましたわ。
この学園が最後に、あの女を公開処刑にして差し上げます。
絶対に許しませんわ!
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