冷遇ですか?違います、厚遇すぎる程に義妹と婚約者に溺愛されてます!

ユウ

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第五章

34.食事




時季外れの転入でいい意味でも悪い意味でも春麗様は目立っていた。


けれど彼女がこのタイミングで転入してくれたことは新しい風を入れるきっかけになっていた。


「すごい評判ですわね」

「異国の姫ってだけでも目立ちますけど、文武両道の姫君ですもの」


エカテリーナ様とジュリア様も関心を寄せていた。
二人共貴族令嬢でありながらも教養高く、為政者でもあるからだ。


「エリーゼ様、お客様ですよ」

「え?」


声をかけてくれたのはクラスメイトだった。

私にお客さんとは誰だろうと思った最中。


「「「きゃあああ!」」」


黄色い姫が聞こえた。


「春麗様?」

「ごきげんよう、エリーゼ様」

淑女としての礼をする春麗様に私も返すけど、視線が痛い。


「申し訳ありません。お忙しかったでしょうか?」

「いいえ、問題ありません」

「良かったですわ。今日のランチをご一緒させていただきたく思いまして」


「私は構いませんが…」


シルビア達は生徒会の仕事があるから今日は一人で食べる予定だし問題ない。


「では参りましょう」

「えっ…はい」


少し急かされる形だった。



いや、待てよ?
春麗様と一緒にお昼って事は。



「春麗様」

「紹介しますわ。私の傍付きの女官です」

「翡翠と申します」


ランとは違う意味で優秀そうな女性だった。

「ランチの準備はできていまして?」

「はい」


何処からテーブルを出した!


一瞬でテーブルを取り出して色鮮やかで美しい料理が並べられる。


まずい…


今日はランに言って自分で作ると言って作ったお弁当。



よりにもよっておにぎり。
しかもシンプル過ぎるおにぎりの具は味噌と梅だ。

そして揚げおにぎりと。
白ご飯オンパレードな貧相な弁当をここで出すのか。

「私、以前から祖父から伺ってましたの。エリーゼ様は大変な美食家であると」

「ひぃ!」

「祖父が食事を食べられなくなっている中、差し入れをしてくだった魔法の料理があると」


そんな大層な物じゃないんです。

「私も聞きましたわ。何でも学園祭で食の祭典を提案されたとか…他国の美食のお店を出すなんて素晴らしいですわ」


まずいまずい!
私は別に美食家なんて大層なものじゃない!

食べるのは好きだし食い意地は張っているけど。



「そちらにあるのはお弁当箱ですわね?よろしければ交換いたしません」

「交換…」

目の前には前世でも手が出せなかった中高級中華料理のフルコース。

対する私はすべておにぎり。


これを差し出せと?


「でも、春麗様の豪華絢爛なお弁当に比べれば」

「私好き嫌いはありませんわ。それに良く言いますでしょう?同じ釜の飯を食べてこそ親しくなると」

いや、少しだけ意味が違います!

「私は貴女の事をもっと理解したいと思っておりますの」


大変な努力家である事は存じていますが、これはばかりはまずい。


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