冷遇ですか?違います、厚遇すぎる程に義妹と婚約者に溺愛されてます!

ユウ

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第五章

45.乱入~エカテリーナside



最悪の状況だわ。
皇女殿下が何故か私達に対して不機嫌さを隠す事もなく、空気が悪い中で。

「エリーゼ様…」

「皆さんお揃いで。そうだ。先ほど収穫したトマトがあるんですけどどうですか?」

お願いですから空気を読んでください。
作業服に麦わら帽子等を着て貴女は何をしているのです?


また勝手に畑を広げましたのね。

「エカテリーナ、落ち着くんだ」

「えっ…ええ」

そう思った私でしたが。


「春麗様。おひとつどうですか?美味しいですよ」

「エリーゼ様ぁ!」

何普通に進めているんですか。


「うむ、美味いな」


「リオネル様、制服を汚さないように召し上がってくださいね?トマトは汚れが落ちにくいので」

「それなら私が洗ってあげますから任せてください。洗濯は得意です」

だから腕に力を入れて何をしているのです。

「お洗濯をされるのですか」

「ああ!違うのです…春麗様!エリーゼ様は幼少期から領地経営を学ぶ為に平民の暮らしに触れるべく、平民と同じ暮らしをしてまして」

まずいわ。
他国にまでエリーゼ様の悪評が広がるわ。


なんとかしなくては!


「素晴らしいですわ」

「は?」


私の不安とは反対に何故か目を輝かせている。


「幼少期から民の暮らしを疑似体験されるなんて立派ですわ。我が帝国でも皇族は成人するまで外の世界で訓練を受けますの。ですが恩自らそのような事を…なんて立派なのでしょう」


「実に、物わかりの良い方だな」

「ロナウド様、これは物わかりが良いと言っていいのでしょうか」

かなりぶっ飛んでいますね。
女性ながら、国を豊かにしようと自ら率先して動かれている方故かもしれません。

国を豊かにするべく作物や特産物を自身の手で作るのは簡単ではありませんから、食料が不足している国では評価されているそうです。


「それにこのトマトは随分と大きいですね」

「無農薬栽培ですから、美味しいですよ。安全ですし」

「では…」

「えっ?春麗様!」

普通に袖で拭いて食べている!


「まぁ、なんて甘いのかしら」

「私が十年間研究に研究を重ねてフルーツトマトを栽培したんです。美肌効果も抜群ですよ」

「ええ…すごく美味しいですわ」


これは、どういう事かしら。

「喜んでますね」

「ええ、お菓子に全く手を付けてませんでしたが」

もしかしてお菓子よりも野菜の方が好みだったのかしら?
私達が出したお菓子には用心していたけれど、エリーゼ様が差し出した野菜は疑いもなく食べていたのは何故?


「エリーゼはトマトを差し出す時に先に食べている。毒がない事を配慮してだろう」

「え?」

「お茶会のお菓子には配慮が足りなかったな。こういう時は解毒剤になるお菓子やお茶も一緒にすべきだ。そうしていれば相手は安心して食べるし、配慮してくれていると思うんだ」

ロミオ様の言葉に私は唖然とした。
フォーク等は銀のものを使用しているし、カップだって配慮したのに。

盲点でしたわ。
春麗様は最初からそれを指摘しようとしていた?

「あの方は、俺達が思うよりも聡明な方だ。お前に厳し事を言ったのはエリーゼを低く評価している貴族代表故にだろう」


私は自分の過ちを理解したのだけど。

「春麗様、良かったら今からトマトの収穫に行きませんか」

「いいですわね!」


だけど!

彼女はもしかしたらエリーゼ様と似通った感性を持ちなのではないかと不安を抱いてしまった。


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