冷遇ですか?違います、厚遇すぎる程に義妹と婚約者に溺愛されてます!

ユウ

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第六章

26.恐怖の鬼ごっこ




巡回しながら迷子はいないか見回る。


「うん、迷子はいないし。以上無し」

「それは良かったわ」


「はい…え?」


振り返るとそこには鬼がいた。


「エリーゼ、やっと見つけたわよ」

「おかーさま…」

何故に!
どうしてお母様が一人でこんな所に。

「お義姉様、申し訳ありません」

「ナタリー」

水晶玉を片手にするナタリーにその隣にはげんなりしたハイネ。


「ごめん、流石に逆らえなかった」


午後から一般客として参加するはずの二人はお母様に脅迫されたのか!


「随分とおかしな格好をしているようだけど。どういうことかしら?」

「これには海よりも浅い理由が御座いまして」

「お義姉様、使いまわしが逆ですわ」


既にお母様は鬼神化している。

「今日は大事な学園祭だというのに、なんという格好をしているの!貴女はサーカス団にでも入る気なの」

「それもいいですね!」

「いいわけないでしょう!」


「ぎゃああぁぁ!」


お母様の怒鳴り声が怖いので再び私は逃げようとするも。


一輪車はない。
近くに紐もないので綱渡りもできなかった。


「逃がさなくてよ…エリーゼ!」

傍に穴があったのでそこに入り逃げることにした。

穴は幾つかの通路の別れていたのでとりあえず上に行くことにした。

なのに――。




「エリーゼ!」

「ちょっと待ってください母様!」


嘘でしょ?
ドレス姿で私の後を追いかけて来た!

後ろにナタリーとハイネも入って来てしまった。


「今日という今日は許しません。他国の王族もいらっしゃるのよ」

「解ってますよ。でも…」

「解っているならその毛皮を脱ぎなさい」


お母様。
貴女は騎士の訓練を受けていたのだろうか。

狭いトンネルを這いつくばって歩くなんて。


こうなったら逃げ切ってやる。


「出口だ!」

「待ちなさいエリーゼ」


真っ暗なトンネルが何処に繋がっているか解らず光が見えた。

「ん?蛍?」


微かに私を出口まで誘ってくれる蛍に感謝した。


「あれ?」

光を見つけるも何故か空気が歪む感じがした。


「エリーゼ!止まりなさい!」

「お母様?」

「魔力が暴走しているわ!この先に行っては…」

「わぁぁぁ!」


けれど出口を見つけた私はそのまま落ちてしまった。


「エリーゼ!」


トンネルを抜けた先は御伽の国ではなく。



「へ?」


黒い炎に囲まれたまさしく地獄の世界だった。



「ひぃぃ!」

「エリーゼ!」


何でこんなことになっているの?

何故かイズラが魔法を発動し、その魔法は私に直撃しようとしていた。


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