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第七章
4.魔力がすべて~国王side
魔力がすべて。
我が国の守るのは魔力と血筋。
物心ついた頃からそう言われて来た。
だから私は魔力がない者は出来損ないと思った。
なのに私の考えを覆した者がいた。
エリーゼ・トリアノン。
私の学生時代からの友人の娘だった。
「エリーゼは魔力が弱いと聞いたが…」
「ああ、そうなんだが・・・フフッ」
何が楽しんだ。
エリシオン王国の中でも名門貴族から魔力が低い者が生まれればどうなるか。
「魔力は少ないがないわけじゃない。それに魔力なんてなくてもいいさ。あの子は私の天使だからね」
「何を言っている」
「ジリアンが明るくなってね。私も娘が可愛いんだよ」
魔力が低い貴族は社交界では惨めな思いをする。
極端に魔力が少なければ長生きはできまい。
そう思っていた。
そんな中私が王となった後に寵愛していた妃が出産後に亡くなった。
そこで私はその娘を二人に頼んだ。
どの派閥に入っていないからこそ安心だと言って強引に頼み込んだ。
しかし――。
「エリーゼは本当に勉強熱心で」
「もう少し淑女教育にも熱心になって欲しいのですけど」
「まぁ!」
二人のエリーゼへの愛情は変わらなかった。
マリアンヌの事は娘として愛情を注いでいても、エリーゼに対しては違うと解り苛立った。
当然だ。
血の繋がった我が子の方が可愛いと解っていながら気持ちを消化しきれなかった。
そう思った中、数年が過ぎた頃。
ロベルトとマリアンヌを引き合わせる事になったが。
「父上、生理的に無理です」
「は?」
「エリーゼを苛める性悪じゃないですか。家族を大事にできない者は嫌いです」
「ロベルト…」
弟を異常な程に溺愛しているロベルトは好き嫌いがはっきりしていたが。
マリアンヌと仲良くしてくれればと思っていたが、合わなかった。
あの子は特別な力を持っているのに。
そんな最中ロベルトとエリーゼの婚約話が持ち上がったが不幸な事故が起きた。
その主犯を調べるとマリアンヌだと言うのが解ったが、ここで知られるわけには行かない。
だが、マリアンヌに対して苛立ちを覚えた。
姉にそのような真似をする等。
当初はエリーゼを疎ましく思った事もあった。
だが、彼女には評価すべきことはいくつかあったが、私の心は複雑だった。
マリアンヌのしでかした事を思うとだ。
そんな中。
話しではスチュアート伯爵家はマリアンヌを欲していたが、マリアンヌが嫌がり代わりに傷物になったエリーゼが受けることになったが…。
実は逆だったと知った。
ユアンはエリーゼを最初から望み幸運にも奥方の病が治った。
にも拘らずエリーゼのおかげだとわざと持ち上げるようになった。
もしや加護が目覚めたと思ったが、偶然だと知り落胆した。
私の苛立ちは強まるだけだった。
そしてあの娘が評価されるたびにマリアンヌは周りから疎まれるようになった。
その所為でエリーゼへの評価が憎らしくなってしまった。
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