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第二章魔導士の条件
12空席
魔力の消費と過労によりメアリは三日三晩寝込んでしまった。
「殿下、本が逆さまですよ」
「うっ…」
教室で空いた席を見ながらミカエルはため息をついていた。
まだ数日であるが、既にメアリがいるのが当たり前になっていた。
「静かになってちょうどいいだろうが」
「あら?そういいながら一番そわそわしているのは誰かしら?メアリ様がいらっしゃらないとぼっちですものね?」
「女の友達が一人なお前に言われたくねぇんだよ」
メアリがいない所為で二人の喧嘩は余計に酷くなる一方だった。
「お二人共、喧嘩してもメアリ様は元気になりませんよ」
「「うっ…」」
一度に魔力を使い過ぎた事で負担が大きかった事もありメアリは休養が必要だった。
もしあの時と考えても仕方ないが。
「私達、なんの役にも立ちませんでしたわ」
「言うな。解っている」
「結局学園を守ったのも、生徒達の心を動かしたのも、フェンリルを救ったのも彼女だ」
ミカエルはこの国の王子でありながら情けなかった。
メアリにすべてを追わせてしまった。
「お昼休みにソーマ先輩に様子を聞きましょう」
「現在は監督生代表のシンディア先輩が寮で治癒魔法を施されているようですから」
メアリの負傷を聞きつけた生徒会の二人は、別の場所で魔物の討伐に向かっていた。
事情を聞かされた後に直ぐに治癒魔法をするべく自身の寮にて治療を申し出たのだった。
「殿下、生徒会のお二人が」
「え?」
クラスメイトがソーマとシンディア呼んでいる事を伝える。
「申し訳ありません殿下」
「急にお呼び出しして」
生徒会室に呼ばれたミカエル達。
「教室では話せませんでしたので」
「メアリに何か…」
もしや、メアリの身に何かあったのかと不安に思ったのだが。
「いや、彼女の身を案じてこちらの寮内で療養している」
「身を案じて?」
「特別科には噂は出回っていないが、一般科でメアリの不正を疑う声が上がっているんです」
「「「は?」」」
ソーマの言葉に四人は目の色を変えた。
「何故です。彼女は不正などしておりません」
「そうですわ…試験は公平に行われていますわ!」
「ありえません」
「この学園は不正出来る程生易しくありません」
この学園に入った生徒が一番わかっているはずだ。
入学するのも難しく一切の権力が使えず、国王ですら入試には介入不可能な制度があるのだから。
「そうです。ですが、あの事件もやらせだと…むしろ魔物を使って学園を襲わせたのがメアリだという者がおります」
「誰ですの。そんなふざけた事を言う輩は」
「今すぐ殺してやりましょう」
殺気立つリーシアは愛剣を取り出し、ギーゼラは関節を鳴らしている。
今すぐにでも殺しに行く勢いだった。
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