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第二章魔導士の条件
13悪意のある噂
「今すぐ殺しましょう」
殺意を隠すこともないリーシアは愛剣を抜こうとしていた。
「待て、ここで抜く気か」
「あの糞女!」
「王女がそんな言葉を使ってはいけません。とりあえず今す皮を…」
「お前も変わらないだろうが」
言い回しが違うが、ギーゼラもすぐにでも飛び込んでいく勢いだった。
「話を戻しますが、何故このような事に」
「ああ」
現在一般科では今回の事件はやらせだと言う噂が流れ、噂の聖女様はメアリではなくユーフィリアという事になっている。
しかも魔獣を暴走させたのはメアリが主犯で王族達を手玉に取っている悪女だと噂を流す者が増えている。
呪詛を使った所為で意識不明の重体になっているなど、ありえない噂を流しているのだ。
「どこをどうしたらそんな噂になるのか…魔獣を操るなんて無理だわ」
「ああ、彼女の魔力は癒しと守り。魔獣を操る…特に呪いをかけるなんて無理だ」
そもそも魔獣を無理矢理従わせる魔術は黒魔術で、白魔術は無理に従わせることはできないのだ。
「確かにタイミング的なものがあったのだろうが…明らかに彼女を排除したい人間が流している」
先日の魔牛の暴走事件が起きた後に立て続けに問題が起きたのだ。
疑いを持つ者がいても、なぜここでユーフィリアが聖女と確定させるのか。
「聖女を勝手に名乗る事の危険性を理解していないな」
「ああ…」
ソーマとシンディアは噂を流した者は事の重大さを理解していない。
もし正教公国等の耳に入れば国同士の問題に発展してしまう危険性を理解しているのか。
国同士の問題になら悪とも正教公国を敵に回す事は危険だと言う事を理解していない事になる。
「メアリの事を悪女だという噂が流れているのは高等部の自称聖女の取り巻き。しかし」
「小等部、中等部の生徒は信じていない…その現場にいた生徒はメアリの味方だ」
「しかし、随分とくだらない事をなさいますわね?」
リーシアの目は既に見れたものではない。
「メアリ様が命がけでなさったことを…許せませんわ」
「本当に何処まで愚かなのでしょうか。殺す価値もありませんわ」
二人は既に我慢の限界だった。
「生徒会…いいえ、監督生の判断は?」
「無論、根拠のない噂に振り回される程監督生は馬鹿ではない。だが、中等部の監督生はどちらにもつかないと言っている」
それはメアリの味方にもならない意味を示していた。
「それは…」
「あくまで中立的な立場を貫く事だ」
ソーマの言葉に怪訝そうな表情をする一同。
「中等部の監督生は学園内の風紀を取り仕切っている…彼等が白黒をつけるだろう」
生徒会の傘下にありながら独立した団体。
風紀委員会。
彼等は特別な権利を持ち教師ですら介入できない権限を持っていた。
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