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第二章魔導士の条件
30ズレた考え
傷つくメアリを心配するも。
「私、二人とちゃんと話がしたいです」
「「「は?」」
泣いているかと思った一同は、この期に及んで二人を庇うのかと思ったが。
「私は一度もちゃんと二人と話をしていません」
「お前は馬鹿だろ!この期に及んで話し合いだぁ?いい加減に…」
「一発殴りに行こうと思います」
「いや、意味わからねぇし!」
気弱な表情は一切なく拳を突き上げていた。
「団長曰く、悪い事をしたらグーで殴るべし!拳とぶつかり合えば分かり合えるそうです…私はこれまで言いたいことを言いませんでした」
「殴り合い…」
「いや、そうじゃなくて」
「私の尊敬する黒騎士の団長様は常に仲違えした友人と拳とぶつかり合っていました!そうです、私も殴り合ってぶつかろうと思います」
「「「あー…」」」
考えに考え抜いた末に出した答えは泣き寝入りでも別離でもなく、とことん話し合うと言う名の殴り合いだった。
「アークとユフィに私の気持ちをぶつけます。殴るのは最終手段です」
「おい!ついに頭のネジが取れたんじゃないか!」
「メアリ…」
ユリウスの失礼極まりない発言にミカエルも賛同した。
だが既にやる気満々のメアリは着替えを済ませて、何故か白のグリモワールが光っている。
「おい、まさか転移魔法を使っているんじゃ」
「そんな高度な魔法を使えるはずないだろ?修行しても転移魔法なんて」
「ええ、そうですわ。私も七年はかかったので…いえ、メアリ様は結界魔法を使えますわ」
「「「あ!」」」
結界魔法を応用すれば転移魔法は可能だ。
しかし複雑なので昨日今日でできるわけではないのだが、ベッド周りに散乱している魔術の教本を見る。
「いざ!」
「「「「ああああ!」」」
魔法陣が描かれメアリはその場から消えてしまった。
「あの馬鹿!何やってんだ!」
「転移魔法は間違えればとんでもない場所に行くんだぞ」
「メアリ様の魔力が学園から消えましたわ」
「失敗じゃねぇか!」
一同は頭を抱え、急いでメアリを捜索する事になるのだったが。
彼等は知らなかった。
メアリは学園から消えたが国から消えたわけではない。
しかもメアリが転移した場所は。
「ここは何処?」
転移魔法を使ったメアリは学園から外れていた。
「光と共に現れたた?」
「この魔力は!」
メアリがいたのは船の上だった。
「あの…すいません。ここは何処でしょうか」
「銀色の光に白い魔術書を持って現れるとは!皆頭を下げよ」
「は?」
船の旗には十字架と鳩のシンボル。
正教公国・ジミェール。
数多の正教会を代表する国の象徴だった。
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