伯爵令嬢の受難~当馬も悪役令嬢の友人も辞めて好きに生きることにします!

ユウ

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第三章

24すべては悪夢~ロイドside③

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傍若無人なオレリアの態度に母上は我慢ができなかった。
対するオレリアも、自分が悪いと思ってなかった。


その所為で二人の醜い争いはヒートアップするばかり。
浪費癖が酷いオレリアの生活はそれはもう酷いもので、俺は我儘を聞く気になれなかった。


これまで彼女の我儘は可愛いものだと思っていたが、酷すぎる。
邸の中では常に二人の罵倒が続き、借金は膨れ上がるばかりだった。


ジュレイド家は今後一切援助はしない。
縁を切っているので関係ないと手紙が届いた。


「何の役にも立たな寄生虫じゃない!」

「まぁ、なんて酷い事を…寄生虫は貴女でしょう?この家の女主人は私よ」


過去の俺はどうしてオレリアを愛していたんだ。
世間知らずで浪費家で、何もできない。

俺を支えようともしてくれない。
キャサリンは俺を支えてくれたのに何故だ。


キャサリンがいたからオレリアは侯爵令嬢としても成り立っていた?



「ロイド!あの女をなんとかして」

「ロイドあの馬鹿嫁を追い出しなさい!」


間に挟まれ俺は逃げるように邸を出た。
安息の地を探したが、逃げ場はまったくなく学園にも居場所はなかった。



「キャサリンと婚約していた方がずっと…」


今にしてはもう遅いかもしれない。
でも、戻れるなら輝いていたあの頃に戻りたい。


もう一度あの頃に。



そうだ…


すべてを戻せばいいじゃないか。


そう思っていたが。



「いや無理だろ」

「お前馬鹿だろ?つーかあの噂知らないのか」


同じ騎士科の友人にキャサリンと復縁しようと考えれいる中、反対された。


「何のことだ」

「フィルベルト殿下と良い仲だって話だ」

「そもそもお前は不義を働いてどの面下げてそんな真似を…最低だな」

「お前とはもう付き合えない」


友人はその日を境に縁を切られて、口も聞いてもらえなかった。


なんとかしてキャサリンと接触を図りたかったが…


「フォーカス君、君の残念だ。君はランクが最低になった」

「えっ…」

「学科の成績が酷く、これ以上成績を落とせば退学だ」


前期の成績は最悪なものだった。
テストの結果が悪く実技試験も最低の評価を受け、退学を宣告された。


留年になったとしてもそんな学費を支払う余裕は家にはない。
私生活ですら苦しく、実習でダンジョン攻略をしたいがそんな金はない。


惨めすぎる。


そんな最中に。


「聞きまして、キャサリン様の噂」

「先日エレーナ様と合同開発で魔道具をおつくりなったとか」

「干ばつの解決策も考えられて、恩賞が与えられるとか」



聞こえてくるキャサリンの賛美。


そうだ…

やっぱり俺に相応しいのはキャサリンだ。


きっとキャサリンは俺とよりを戻したくて評価を上げているのだと思った。



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