所詮は他人事と言われたので他人になります!婚約者も親友も見捨てることにした私は好きに生きます!

ユウ

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14意図するもの

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王立学園はどんな身分が高かろうが介入はできない。
生徒の問題は生徒がとの事だった。


難色を示した人は多かったけど、私が辺境伯爵令嬢であれば障害は少なかった。
何より完全な裏方で、権限はそんなにない。

要するに学園の安全を守る警備を配置する担当だった。
責任はあれど、生徒会のような権利もないから他の生徒に妬まれることはない。


「俺からすれば厄介ごとを君に丸投げしたか…もしくは信用できる者がいなかったのだろう」


「そんなことは…」

「少なくとも侯爵夫人は君を学園の厄介ごとを丸投げして、娘が問題を起こせばすべて押し付ける算段だろ?」


直接的な事を言われたわけじゃない。
でも、私にアグネスのサポートをさせようとしているは解っていた。


「辺境伯爵家の重要性を理解していない。それとも、恐れているか」

「恐れる?」

「ああ、より自分の方が上だと解らせたいのか…どうちらにしても愚かだ」


動乱の時代ならばまだしも、平和な時代では辺境伯爵家の立場は変わってくる。
私達はあくまで国の為、王家の為に剣を持つ。



反旗を翻す気なんてない。

けれど、疑いを持たれていた?

だから幼少期の頃から王都に呼び、里帰りも年に数えるだけだった?


信用できないから?



でも、それならなぜアグネスの傍に置いた?
従兄であるサリオンとの婚約にも何か裏があるというの?



「ごめん。君を怖がらせてしまって」


「いいえ、むしろ改めて考えれて良かったわ」


今回の一件は侯爵夫人も関わっているのか。
よく考えれば、サリオンが何故あそこまで増長したのか。


「知らないことが多すぎる…ただ」

侯爵夫人がどう考えているか解らないけど、派閥の問題はあの二人が関与しているとは思えない。


打算的ならばサリオンはこんな迂闊な真似をするとは思えない。


勢いで私を罵倒し暴力をふるったと思う方がしっくりくる。
言い方は悪いけど、サリオンは私以上に為政者に不向きだわ。

我慢が足りないというか、感情的というか。


「社交界でも、通常なら君にばかり酷い噂が流れる…君の方が格上というのに」

「格上…」

「ああ、君の父君は騎士としても誉れ高いが、あの男は王太子殿下の婚約者を親族に持つだけで後は価値がない」

「レオ…」


さっきから言い方が…


面識もない人間を悪く言う人じゃない…はずなんだけど。


「国王陛下が君を軽んじているならば、もう彼らは黙っていないだろう」

「彼ら?」

「ああ、辺境貴族を敵に回せば国の防衛は無くなるだろうからな」


辺境伯爵家は他の貴族とは異なる。
国を守る力を持ち、中には他国とのコネクションがある。

他国との貿易をスムーズにするには彼らの存在なくして行えないのだから。


「お茶が少し冷めてしまったな」

「ええ」


本当に冷めてしまったお茶を私達は飲んだのだった。

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